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私のことならほっといて

私のことならほっといて

私のことならほっといて

作家
田中兆子
出版社
新潮社
発売日
2019-06-19
ISBN
9784103353539
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私のことならほっといて / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

表題作を含む7つの作品から成る短篇集。川端の「片腕」に触発された「片脚」や「伊勢物語」を踏まえた表題作、あるいはややコミカルなSF「あなたの惑星」など様々なタッチのものが含まれる。そうした中では自己の内にある潜在的な不安を小説化した表題作と「匂盗人」が小説としての完成度が高いか。また「六本指のトミー」の絶望も深い。そして「歓びのテレーズ」の痛快、「薄紅色の母」の女の表現など、いずれも著者独特の文体で紡ぎだされる感性はきわめて個性的で、他に類を見ないもの。

2021/04/13

❁かな❁

田中兆子さんの作品を読むのは4作目。どんどん進化されててすごく面白かった♡一筋縄ではいかない大人のエロスを感じる短編集。男性へリベンジポルノを企てる女性のお話「歓びのテレーズ」はスカッとし、宇宙に連れ去られた地球人の女性が子孫を残すように迫られるお話「あなたの惑星」はコミカルな部分もあるのに切なさもあり、ドキドキもして面白かった!亡き夫の片脚だけ残された未亡人のお話「片脚」は切なく温かさも感じる。他にも夢の中の男性に夢中になっていく女性の話などバラエティ豊かな短編集。益々、兆子さんから目が離せない♡ 

2019/08/20

おしゃべりメガネ

R18文学賞作家田中さん作品を初読みです。本の帯に書かれていた「一筋縄ではいかない女のエロス」まさしくそれ。それぞれの嗜好がある女性7人が登場し、7様の若干偏った'エロス'が魅力的に綴られています。全体的にエロスよりも話によってはホラー感のほうが強く感じたような気もしますが、いずれにしても読み応えはバッチリでした。ひしひしと文章を忍び寄るように書き綴り、知らぬ間に読んでる側の懐へと入り込むその世界観はR18文学賞の作家さんの中でも少し異質かなと。エロさよりはコワさが勝った一冊となり、他作品も読んでみます。

2020/11/22

モルク

現実か非現実か、不穏で不確実な世界の女性を主人公にした7つの短編集。夢の中の男を愛する表題作、最後はどうなったの?最近は続きを見たくなるような夢はとんと見なくなったな。「薄紅色の母」と「六本指のトミー」がよかった。

2020/01/09

なゆ

あー、面白かった!女、オンナ、♀…と女性たちのいろんな面を炙り出した短編集。男女あるいは女どうしにも存在する、秘密や悪意やドロドロしたもの。「歓びのテレーズ」はザマアミロな爽快感!「匂盗人」は現実にもありそうだけど、ここまで思い込むと…。表題作は、はじめストーカーものかと思ったら…夢と現実がぐわーっときての想定外の官能へ。いちばん好きだったのは「あなたの惑星」。イグアナぽい宇宙人の星に、23歳の女の地球人として捕われた“あたし”の話。人工繁殖を期待される動物たちみたい。モモさんとの感情交流が切なくて ◎。

2019/08/02

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