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芥川症

芥川症

芥川症

作家
久坂部羊
出版社
新潮社
発売日
2014-06-20
ISBN
9784103358718
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芥川症 / 感想・レビュー

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しんごろ

芥川龍之介の作品を医療や介護をテーマにパロディ化した7話からなる短編集!ブラックで適度な毒があり、その毒も妙に心地よく、楽しく読めました。『耳』は引きこまれ『クモの意図』はクスッと笑え、『バナナ粥』はなんとなくほっこりでした(^^)芥川作品を知らなくても、普通に読めます(^-^)BGMにはロマンポルシェ。がはまりそうです(^^;)

2016/11/11

射手座の天使あきちゃん

文学少年・少女ならこの表紙を見て手に取らぬ訳にはまいりませぬ いざ心して読み進められませ 「藪の中」、「鼻」、「羅生門」、「蜘蛛の糸」、地獄変」、「芋粥」、「或阿呆の一生」芥川龍之介渾身の名作に想を得て(つまりはパクってですね)現代医療の矛盾と問題点を「皮肉り」、「おちょくり」、「いじり倒す」毒吐き小説です 次は是非、歴代直木賞受賞作に想を得た「直木症」を読みたいです久坂部さ~ん!(笑)

2014/11/13

關 貞浩

芥川龍之介の短編に材をとり、軽妙なパロディからホラータッチのグロテスクな作品まで楽しめるバラエティあふれる贅沢な短編集。代表的な長編のような重厚感はないものの、構成は緻密に練り上げられており主題には共通点も多い。特に、功徳を積もうと思いあの手この手で殺生を避けようとするドタバタ劇が楽しい「クモの意図」、介護現場が直面する日常を描いた「バナナ粥」など、完成度が高いだけでなくわかりやすさも兼ね備えている。善意の奥に透かし見えるエゴイズム。それは人である以上逃れられない病であるという痛烈な風刺なのかもしれない。

2018/01/12

kishikan

久坂部さんを読むのはこれが初めて。タイトルと表紙に魅せられ購入、でも予想以上に面白かった。医大卒業後実際に医師として活動されていたようだ。海堂尊さんの小説にも通じるけれど、エンタテイメント小説じゃない。むしろブラックで独特な風刺もあり、奥田英朗さんに似た語り口だな。この本に収められた7編はタイトルにもある芥川龍之介作品のモジリ。原作の内容はほとんど忘れちゃったけど、構想は似ていたような気がする。落語が好きな僕には「クモの意図」が笑えた。そして最後の「或利口の一生」こそ作者の本心じゃないか、そんな気がした。

2014/10/20

あすなろ

なかなかブラックでシュールな医療を取り入れた短編集。ちょっと、何が伝えたいことなのか、分からないところが正直、あった。シュールな笑いをとりたいのかな?病院の中とか検視を考えさせられる短編もあり、介護を考えさせられる短編あり等々。うーん。ま、サッと読了し終えましたか。

2014/12/03

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