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小公女たちのしあわせレシピ

小公女たちのしあわせレシピ

小公女たちのしあわせレシピ

作家
谷瑞恵
出版社
新潮社
発売日
2023-10-18
ISBN
9784103515722
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小公女たちのしあわせレシピ / 感想・レビュー

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ちょろこ

優しい一冊。記憶を失くし、ホテル住まいとなり最期は行旅死亡人となった老女メアリさん。彼女が遺した本とお菓子のレシピに惹かれた主人公を軸に、本と人と心が繋がるストーリーは優しさいっぱい。言葉に心がほぐれ、ほわっと癒される感覚が良かった。ちょっと心が迷子の人たちが、お菓子を通じて光るものを見つけ、心動かされる姿はメアリさんがかけた優しい魔法のよう。悩みも苦味も経験しながら自分の誇れる居場所を見つけることが、自分の人生物語を紡ぐということなんだろうな。無邪気な姿が目に浮かぶラストも素敵。最後まで優しさが拡がる。

2024/02/17

ままこ

つぐみが見つけた古い英国児童書に挟まれたスイーツレシピ。行旅死亡人、謎に包まれたメアリさんが残したレシピメモ付き児童書は他にもあることがわかり…。スイーツを実際作ることを通して、悩みを持つ人たちのモヤモヤが晴れていく。「最高のつまらないもの」が良かった。〈大人になってから読むのもいいものよ。面白いものはいつ読んでも面白いんだから〉児童書に対するこの言葉に共感。上品な色合いのおいしそうな装丁も素敵。ましま堂の商品も食べてみたいな。幻想的でノスタルジックな余韻が残るエンディング。願いと想いが優しく沁みる物語。

2024/01/22

がらくたどん

優しい「ある行旅死亡人の物語」。ピンクの服にリボンの帽子でミニブタを連れ、多額の現金と本を詰めた鞄だけを持って小さなホテルに泊まり続けた身元不明のメアリさんが亡くなった。ある日、絶賛人生迷子中のホテルオーナーの娘が遺品の本の中に物語にまつわるお菓子レシピを発見する。街のあちこちに置かれた英国児童書。呼ばれるように手にする人達。本の中のお菓子がそっと照らすほんの少し先の道。主人公の兄以外は全員魔法にかかったように優しい夢の中なのだが、人生はどれだけ上手に自分に魔法をかけて幸せを充填できるかが決め手なのかも。

2024/02/02

ひさか

webマガジンyom yom2022.1〜2023.2掲載の奇跡のぶどうパン、最高のつまらないもの、わたしをお食べ、遠い日のプディング、星のスパイス、からす麦の花咲く、の6つの連作短編を2023年10月新潮社刊。亡くなったメアリさんの本に残されたレシピへの想いやこだわりが、登場人物たちの心の澱みをなくしてくれるさまが、興味深く、面白い。メアリさんが残したブタのムシャムシャが楽しい。

2024/03/29

ぶんこ

記憶を無くしたメアリさん、最期は行旅死亡人として亡くなられました。こう書くと孤独で不幸な人と思われますが、メアリさんは幸せな人生をおくられたと私は思いました。ビジネスホテルのような「ホテルのはな」の潔子さんとかたい絆で結ばれ、二人でお茶会を開くための『秘密の花園』を造っていました。全身ピンクのドレスにミニ豚のムシャムシャを連れて散歩していたメアリさん。お会いしたかった、お話ししてみたかった、ムシャムシャに舐められたかった。つぐみさんの作るお菓子も食べたかった。取り上げられた本を全部読み返したくなりました。

2024/02/04

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