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抱擁

抱擁

抱擁

作家
辻原登
出版社
新潮社
発売日
2009-12-18
ISBN
9784104563043
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抱擁 / 感想・レビュー

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遥かなる想い

舞台は昭和12年の東京。 前田侯爵の小間使いとして 雇われた私が見たものは …展開はありきたりだが、 時代背景が226直後と なると、白い風景を想像 するのはなぜなのだろう。 5歳の緑子だけにできる 自殺した、ゆきのとの交流…そして私が企てたことは… 少しだけ哀しく、少しだけ 優しいお話だった。

2015/10/18

❁かな❁

とても雰囲気があり、惹き込まれる作品*昭和十二年の東京。前田侯爵邸で小間使いとして働くことになった十八歳の「わたし」は美しい五歳の令嬢「緑子」に仕えることになる。そして緑子が時折、見えない何かを見ているように感じて…。「わたし」の語りだけでずっと綴られていて、その静かな語りにそっとこちらも耳を傾けながら聞いているような感じでした。上流階級の中でのお話で虚構か現実かわからなくなりそうになったり、独特の不穏な空気感で胸がざわつきました。ゴシックホラーでしょうか。最後にゾクッとし、とても楽しむことができました*

2015/11/08

ちょろこ

凍りつく一冊。最後に全て持っていかれた。2.26事件直後、侯爵家、5歳の幼いお嬢様、そのお嬢様の小間使。もう好きな時代設定と要素が詰まりに詰まったゴシックホラー。しかも小間使の"わたし"語りの形式なのが心地よく好き。遠い昔の時代背景、お館でのお嬢様との時間。この時代のごく普通の穏やかな日常が次々と脳裏に流れていく。ただ一つ、お嬢様の不可解な行動を除いては。誰かがいるのか…見えそうで見えない、つかめないざわめき。思いもよらぬ展開からのラスト一文に凍りつき、思わず戸惑いの目眩。これまた歪んだ鏡のような世界観。

2023/10/25

モルク

時代は昭和初期、2•26事件の頃の東京駒場にある前田侯爵邸を舞台に繰り広げられるゴシックミステリー。侯爵家の次女緑子の小間使になった「わたし」。緑子ともすぐにうちとけ、まわりの人もいい人…ただひとりを除いては。そして緑子には何かが見えているらしいことに気づく。次第に不穏な空気が流れて来る。132ページしかないし、サクサク進む。そして突きつけられる最後の一文。えっ!どういうこと?混乱という渦に巻き込まれる。どういうことか誰か教えて!最後に前田侯爵邸をググって写真をみた。あぁ、なんて素晴らしい!

2020/07/22

ちーたん

★★★★☆ゴシックホラー。136ページのハードカバーはページをめくるたび、心地良い紙の音を奏で私をゴシックの世界へ誘う✨前田侯爵家の5歳の令嬢・緑子の小間使になった『わたし』。彼女と過ごすうち、わたしはある不安を抱き始める。緑子には視えない何かが視えている?前任の小間使・ゆきのがいる?!◆わたし視点で語られる独白形式。不穏な空気を終始漂わせながらお送りしていた物語も気付けば終盤へ。最後のページに飛び込んできた衝撃の台詞(;:°ë°;;)トリハダ!!どういうこと?!ネットへGoしたけど解釈はあなた次第!!

2020/06/30

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