ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶
ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶 / 感想・レビュー
みみずく
初めての恋を想う4話が収録。中でも「キャトルセプタンブル」の主人公の母の20年前のささやかな恋の話が良かった。旅の道連れで出会った人と、またパリの「キャトルセプタンブル」で会う約束をして、彼が来るか来ないか待ち続けた思い出を娘に語る。それを思うだけで幸せになったり、辛いときの支えになったり…母の思い出を羨ましく思う娘に共感した。 「ドイツイエロー」も切なくて良かった。
2013/10/14
gokuri
著者が得意な、恋愛小説。なんとなく、テイストが似ているので、かつて読んだものと混同しかねない。その中では、「いつかマイヨール広場で」は、めずらしくきちんとした結末まで用意されていて、印象的な作品だった。肩肘はらない息抜きにはよいかな。
2014/09/09
商業主義の地獄ゆき
入口と出口、終わりと始まり。それでも家を出てどこかに向かわなければならない。そしてどこからか家に帰りつかなくてはならない。/「可憐なかれんじゃないんだ」「えっ?」「カレンダーのかれんなんだ」「そうなの」「そう。カレンダーみたいに平穏に絶え間なく、これからの人生を過していって欲しい」
2013/04/28
me
抽象的な海の中に包まれるような感覚。やさしくて、ほろ苦い世界に酔いしれる。四つの短編はすべて女性視点で語られていって、大崎善生らしい文章はとても心地良い。最後にはそっと微笑んでくれる。好きです。
2013/03/14
ろま
【図書館】一度の出会いと別れを通して綴られる女性4人の物語。前半の2作品の登場人物があまり好きになれず、なかなか読み進められませんでした。しかし、後半の2作品は印象に残る作品でした。特に、『ドイツイエロー』では少しホロッとさせられます。文章はその場の情景がよく浮かび、非常に綺麗で、また、どの物語も読了後に余韻が残りました。
2011/10/16
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