KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

ナボコフ・コレクション ロリータ 魅惑者

ナボコフ・コレクション ロリータ 魅惑者

ナボコフ・コレクション ロリータ 魅惑者

作家
ウラジーミル・ナボコフ
若島正
後藤 篤
出版社
新潮社
発売日
2019-10-30
ISBN
9784105056100
amazonで購入する

ジャンル

ナボコフ・コレクション ロリータ 魅惑者 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

踊る猫

ここに居るロリータは「ハンバート・ハンバートの目を通した」ロリータだ。だから、私たちは彼の饒舌で明晰な語りを通して彼があたかも「創造」するというか「現前」させるロリータに付き合うこととなる。その意味ではこの作品を読むことはどうしたって彼の掌の上で踊らされることを意味するのであって、そこから「性的搾取」や「反フェミニズム」を読み取るためにはかなりやっかいな手続きを踏まなければならない。「(本人も含めた)誰の目も通さない『透明』なロリータ」なる存在がありうるかどうかという実に手強い問いとぶつかるという手続きだ

2023/04/28

MATHILDA&LEON

【英ガーディアン紙が選ぶ必読小説64/1000】一般的に見れば変態的だが、ある意味真っ直ぐな愛で持って、ロリータのそばで生きる男。ただ、これを是として読むことは出来なかった。それでも結局読み終えられたのは、物語の面白さから来るものであったし、見届けたいと思えたからだ。主人公に対しては好感は持てなかったが、実に人間臭くて印象的。ロリータがその後、幸せになれたかが気になるところ。

2020/04/01

井蛙

『ロリータ』はまた読むので『魅惑者』だけ。とある少女に一目惚れした中年の主人公は、彼女の母親である余命幾ばくもない未亡人と結婚する。面白いのはこの結婚が死に損ないの母親の色気と娘への嫉妬心に火をつけるということで、主人公の奸智が逆説的にも彼女に最後の生を与えたような具合なのである。実際には主人公が妻の死を具体的に思い描き始めるや、彼女は本当に死んでしまう。こうしたパロディが現実に先行するという構造がこの作品には散見される。分かりやすい例は、主人公が実際に逮捕される(であろう)前に、誤認逮捕されかける箇所。

2020/02/18

warimachi

これだけ言葉が上手いと、書いてて楽しかったんだか苦しかったんだかって感じだなあ。

2020/03/14

Vincent

再読。中年男が少女を溺愛したあげく暴走・破滅する名作。独特の趣向を凝らした言葉遊びが乱舞して読みづらいですが読書の醍醐味を存分に味わえるでしょう。本書の一番の魅力は主人公ハンバートのユーモアあふれる語り口。なにせ自らハンバーグなどと茶化したり、ぬけぬけとハンサムなハンバートとかハンバート雷帝と自信ありげで。

2020/01/04

感想・レビューをもっと見る