注目の新刊 『アップダイクと私 アップダイク・エッセイ傑作選』 ダ・ヴィンチ2013年3月号
作家として生きていた人生をユーモラスに回想した表題作はじめ、野球、ゴルフ、ポーカー、文学、ミュージカル映画など幅広いジャンルを、戦後アメリカ文学を代表する作家が綴ったエッセイ集。谷崎潤一郎や村上春樹など、日本作家への書評も見逃せない。
最終更新 : 2018-06-08
京都大学大学院文学研究科教授
作家として生きていた人生をユーモラスに回想した表題作はじめ、野球、ゴルフ、ポーカー、文学、ミュージカル映画など幅広いジャンルを、戦後アメリカ文学を代表する作家が綴ったエッセイ集。谷崎潤一郎や村上春樹など、日本作家への書評も見逃せない。
読めばあなたにも奇跡がおこるかも。 編集 H 昨年、作家生活20周年を迎えた小川洋子さんの最新長編『猫を抱いて象と泳ぐ』は、彼女の集大成との呼び声高い傑作です。 小川洋子作品といえば、『完璧な病室』や『ホテル・アイリス』など、ある限定された場所「閉じられた空間」を描いた作品、『薬指の標本』や『沈黙博物館』など「痕跡」を描いた作品、「詩人の卵巣」(『まぶた収録』)や『博士の愛した数式』の登場人物のような、世界からこぼれ落ちそうな「異形の人」が登場する作品などが特徴として挙げられると思いますが、本作『猫を抱いて象と泳ぐ』は、これまでの小川作品に通底するテーマやモチーフが随所に散りばめられています。 小川洋子さんのロングインタビューでは、このような小川作品のテーマ、モチーフをひもときつつ、『猫を抱いて象と泳ぐ』が誕生するにいたった経緯や、これまでの小川さんの軌跡をぞんぶんに語っていただきました。小川さんが影響を受けた本や、『猫を抱いて象と泳ぐ』へと連なる小川洋子作品なども紹介しており、本作が読みたくなると同時に、それらの作品も読みたく…
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