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盤上のパラダイス (河出文庫 わ 10-1)

盤上のパラダイス (河出文庫 わ 10-1)

盤上のパラダイス (河出文庫 わ 10-1)

作家
若島正
出版社
河出書房新社
発売日
2023-04-06
ISBN
9784309419534
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盤上のパラダイス (河出文庫 わ 10-1) / 感想・レビュー

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kokada_jnet

詰将棋専門の同人誌『詰将棋パラダイス』の歴史を語った、1988年刊行の相当にマイナーな本が、35年後の2023年に、嬉しいけれど驚きの文庫化。さすがサブカル出版社の河出書房新社だけのことはある。ただ、単行本で読んだ時ほどの面白さを、今回の再読では感じなかった。あの頃は、将棋ファンではあったが、詰パラのことをまったく、知らない自分であったからなあ。文庫版の新あとがきには、元本の「三一将棋シリーズ(団鬼六の書籍などを刊行)」が生まれた背景に、「昭和軽薄体」ブームがあったと分析がされている。

2023/04/10

Sam

著者は英米文学者、翻訳家としての方が有名なのかもしれないが、自分にとっては詰将棋作家。いまはなき「近代将棋」でときどき見かけた記憶がある。「詰パラ」に縁はなかったが、本書で描かれる奇人変人の数々、詰将棋の変遷など、なかなか興味深かった。興味深いといえば文庫化に際して書かれた「補遺」で藤井聡太くんが登場。詰将棋解答選手権(著者が創設者とのこと)に突然現れた天才小学生に驚愕したことが生々しく描かれている。もっというと「解説」は芦沢央。「神の悪手」はよくできた作品と思ったが、同氏が詰将棋ファンとは知らなかった!

2023/04/30

kane_katu

★★★★☆若い頃かなり将棋には熱中していたのだが、詰将棋にはそれほどハマらなかった。だからなのか、昭和63年に出たこの本も未読だった。今回文庫になったということで購入。まあ、面白かったね。色々書こうとすると、とてつもなく長くなってしまうのでやめるが、とにかく面白くて懐かしかった。

2023/06/12

longscale

作り手と読者だけで成立するのは、雑誌発行の理想。広告収入に頼らず、書店への取次業者も介さないので、シンプルな関係を築ける。そんな世界を実現した奇人変人たちが、無性に羨ましい。「学校」をつくって協力者を巻き込んで……なんて、夢みたいな話だ。問題は新規読者をどう獲得するかで、読者数がどう推移していたかは気になった。いるのかいないのかもわからない「不特定多数」ばかりが意識される世界よりも、ずっと健全に思えてならない……。将棋については下手の横好き。自分には最も持ち合わせの少ない能力が試されるので、逆に惹かれる。

2023/06/05

tomo6980

作中にも出てくる詰将棋作家、田中至に「詰将棋天国」という本があって(同じく作家の三枝文夫との共著)、その中に奇想天外氏に捧げる曲詰があったなあ、とぼんやり思い出す。田中氏と言えば駒場和夫との煙詰論争(都煙は煙か否か)でちょっとイメージが良くないのだが、鵬看でない煙量産作家の田中氏であり、市松作家であり、ともうちょっと再評価されてもいいかもしれない。って全然関係ないことを書いてしまった。

2023/04/13

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