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よこまち余話

よこまち余話

よこまち余話

作家
木内昇
出版社
中央公論新社
発売日
2016-01-22
ISBN
9784120048142
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よこまち余話 / 感想・レビュー

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yoshida

時代は明治か。とある長屋を舞台に、そこに住まう市井の人々の生活を描く短編集。作品を通じて流れる儚さ、そして人を想う優しさ。何より木内昇さんの紡ぐたおやかで適度に抑えられた文章に、引き込まれる。いつしか、作品は過去と未来を漂い、ついには彼岸へも繋がる。四季の移ろいや、生業への思い、そして家族の優しさ。中学へ進学する子の学費を心配しつつも合格を祈る母。婿の家業への修練を心配しながらも見守る和菓子屋の旦那。そして徐々に明らかになる齣江とトメの過去。それぞれに訪れる転機。読了するのが勿体ないほど、魅力のある良作。

2019/05/01

酔拳

静かで、儚くで、怪しいげな話。主人公の齣江、齣江の前の家に住んでいるトメさんが、儚くて、読んだ後、胸が締め付けられました。この世とあの世がつながっているとしたらと想像すると、怖いような、面白いような、複雑な心境になりました。

2019/11/12

しんたろー

何となく読んでなかった有名作家シリーズ5:木内昇さん。まず、独特の世界観に戸惑った……明治後期か大正と思われるがハッキリした時代設定で詳細も判らない場所にある長屋周辺での話が、段々と心地好くなってくる。「人情小話を集めたものかな」と思っていると不思議な事柄が展開してゆく。そして切なくも暖かい愛に包まれた。途中で読むのを止めた人は勿体無いと思うほどのファンタジーに満足。美しい日本語にこだわり、簡潔な表現の中に想いを凝縮させた文章は読み手を選ぶ作風だと思うが、何とも言えない雰囲気が琴線に触れた。

2016/12/31

KAZOO

この作者さんは昔1冊(浮世女房世話日記?)を読んでいたのですがそれっきりで、最近この作品の感想がよかったので読んでみました。明治時代のゆったりとした感じなどがよく描かれていると感じました。長屋の人情などの様子がよくわかります。宮部さんの作品からミステリー色を除いたり、藤沢周平さんにもう少し温かさを加えた気がしました。女性とは思っていませんでした。少し読んでみようという気がしました。

2018/12/17

紫 綺

過去、未来、そして今。混沌とした時空の中を、神や天狗が泳ぎ行く。夢か現か幻か、摩訶不思議な世界を堪能させてくれる。この世界観、好きだな。

2016/06/04

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