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現代中国の秘密結社 -マフィア、政党、カルトの興亡史 (中公新書ラクレ, 716)

現代中国の秘密結社 -マフィア、政党、カルトの興亡史 (中公新書ラクレ, 716)

現代中国の秘密結社 -マフィア、政党、カルトの興亡史 (中公新書ラクレ, 716)

作家
安田峰俊
出版社
中央公論新社
発売日
2021-02-06
ISBN
9784121507167
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現代中国の秘密結社 -マフィア、政党、カルトの興亡史 (中公新書ラクレ, 716) / 感想・レビュー

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さとうしん

歴史的な背景とともに探る現代中国の秘密結社。会党・幇会篇と邪教篇の二部構成。洪門が民主党派のひとつ中国致公党という形で取り込まれているという話、外売の配達員が結成するのが近代的な労組ではなく伝統的な結社になってしまうという話、中国政府の宗教弾圧が国民のキリスト教の教義への理解を不十分なものにしてしまい、却ってカルトの布教に有利な状況を作ることにつながっているという指摘が面白い。現代中国を理解するうえでなぜ秘密結社のことを知る必要があるのかというオチというか締めの言葉もよい。

2021/02/10

サケ太

これはかなり面白かった。中国という国家は秘密結社と綿密に関わっているということを認識した。個人的に興味深かったのはデリバリーサービスの中の秘密結社化。これは日本では現状起こっていない事象なので、見ている分には面白いが、労働者の権利関係が保証されていない為、自衛手段としての集団の形成、それが暴力沙汰を生じさせてしまう、というのは笑えない。

2021/02/22

羊山羊

笑えるルポでもありながら真剣でもあり、中国国家とその自己責任社会から身を守るべくイリーガルに協力し合う市民たちを描く1冊である。中国のB面を走り尽くす安田氏が、秘密結社の実情に体当たり取材してきた1冊。「自壊する帝国」のソ連でもそうだが、宗教と秘密結社はいつでも国家にとって危惧するべき敵だった。特に「幇」による縦横の人間関係の複雑な中国では尚更だ。先日の香港デモを巡る、デモ過激派にうっ憤を募らせる械闘組や香港の原住民に関するルポには本当に目を引く。面白い1冊だった。

2021/10/28

緋莢

<――秘密結社。胡乱極まりない、しかし魅力的な言葉である。世間に怪しい言葉はたくさんあるが、なかでも 「秘密結社」はとびきりに胡散臭い。> 「はじめに」の冒頭で、そんな風に書かれていて、頷きつつ、笑ってしまいました。中国の秘密結社には3パターンあり、それは義兄弟の契りを交わす「会党」、指導者に帰依して救済を求める「教門」、体制転覆をはかる「政治結社」だそうですが、境界は曖昧らしいです。そんな秘密結社は、現代の中国絡みの ニュースでも出てくるとのことで(続く

2023/11/14

Toska

明清民国あたりの中国史で様々な結社運動が示したインパクトは周知の通りだが、それら「秘密結社」の残照にスポットを当てた上質なルポ。香港の民主化運動が昔ながらの土着的結社に引きずられて暴力化した話など、着眼点に独自性がある。個人的には、フードデリバリーの配達員が他社や交通警察と抗争する話が一番面白かった。互助のためすぐにつるみ、徒党を組んでは実力を行使する。今も昔も変わらぬ中国人のエネルギー。どこぞの自民党政権に、本物の自助ってのはこういうことなんですよと教えてやりたい。

2022/09/21

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