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金曜日の本 (中公文庫 よ 39-7)

金曜日の本 (中公文庫 よ 39-7)

金曜日の本 (中公文庫 よ 39-7)

作家
吉田篤弘
出版社
中央公論新社
発売日
2020-12-23
ISBN
9784122070097
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ジャンル

金曜日の本 (中公文庫 よ 39-7) / 感想・レビュー

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buchipanda3

懐かしい思い出の中には些細な事なのにピンポイントで色が濃くなっているものがあったりする。初めて買って貰った自転車の見慣れた部分の柄だったり、部屋に貼っていた何てことの無いチラシだったり。普段忘れているのに何かを切っ掛けにふと甦ってくる。この著者の自伝的エッセイを読んでいたら色々と思い出した。あと妙に頑ななこだわりを持つこともあるよなあと。映画を観たらパンフレットは買わなきゃと思っていたのは同じ。著者と思い出の時空は違うのに何かを共有したような気持ちになった。そして金曜日の本という言葉にほぐされた。

2021/01/05

ポップ

2021年1冊目。子供の頃の思い出は一生の宝物である。著者の少年時代の思い出に在りし日の姿が重なる。本と音楽と映画の出会いは人生を変える。本を与える父と読み上げる母、ビートルズが開いた音楽の道、映画きっかけの親友、目から鱗が落ちた手塚治虫の作品、歯の根が合わなくなったステレオ体験など、古き良き時代を偲ぶ。電車の中でチョコレート饅頭を取り出す伯父たちと父の様子は想像するとおかしい。短編「窮鼠、夜を往く」も本書に合った良作だ。鼠の窮鼠、鰐のノーベンバー先生、人間の吹雪君が供する百科事典を巡る優しい物語である。

2021/01/01

sakai

100%テレワークになったせいで、通勤時間がなくなり読書時間が激減。読書量が減るのは別に良いのだが、記憶に残る読書が出来ていないのが問題。そんな悩みを解決してくれそうなことが、この本には書かれていた。わたしも童心に返って金曜日の放課後、宝探しに行こう。

2021/01/10

momogaga

まずは表紙に目が引きつけられました。次に、題名にこころ惹かれました。エッセイの後に出てくる、短編小説「窮鼠、夜を往く」では百科事典のお話が出てきました。ねずみの窮鼠が「百科事典」を齧って世界の一片を知るのです。なかなか深いお話でした。

2021/09/21

shio

エッセイだけど、小説と変わらない文体で語られる幼い頃のエピソードはとても心地よい。珍しいジャケットのレコード、甘い水の蛇口、間違い電話、貯水池、スパイ手帳。子ども目線で見た風景は、“秘密”の色。本が好きで、図書館で金曜日に本を借り、土日に読むのが楽しみだったとか。「金曜日の本」はこの本のタイトルだけでない、特別な意味がある。友だちに好きな本を聞かれて「気持ちがあったかくなる本」と答えたその時のままで、本を書き作られているのでしょう。吉田さんの本は疲れて弱った心身にとても優しい。個性的な叔父さんたちもよい!

2021/07/31

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