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月曜日は最悪だとみんなは言うけれど (村上春樹翻訳ライブラリー m- 2)

月曜日は最悪だとみんなは言うけれど (村上春樹翻訳ライブラリー m- 2)

月曜日は最悪だとみんなは言うけれど (村上春樹翻訳ライブラリー m- 2)

作家
村上春樹
D.T.マックス
出版社
中央公論新社
発売日
2006-03-01
ISBN
9784124034974
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月曜日は最悪だとみんなは言うけれど (村上春樹翻訳ライブラリー m- 2) / 感想・レビュー

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Hideto-S@仮想書店 月舟書房

村上春樹氏にとって翻訳という作業は創作者の余技ではなく、表現者として車の両輪のようなものだという事がよく分かる一冊。処女作の『風の歌を聴け』にして、始めに英語で物語を書いてから日本語に翻訳して完成させたと伝えられるほどだ。レイモンド・カーヴァーに関する評論2篇にジョン・アーヴィングのインタビュー、ティム・オブライエン、トム・ジョーンズ、デニス・ジョンソンの短篇を収録。タイトルはトム・ジョーンズの小説中に引用されたブルースの歌詞の一節。♪月曜日は最悪だとみんなは言うけれど、火曜日だって負けずに酷い♪

2015/12/28

ずっきん

トム・ジョーンズ目当て。短編かと思ってたらエッセイだった。ゴツゴツと生のエネルギーをほとばしらせる熱とリズム。なのになぜか洗練を感じる文章。洗練とは単に読みやすい文章ということではないなあ。収穫はティム・オブライエン【ノガレス】ダントツによかった。感じたことは村上氏が全て語ってくれてる。さすがである。【本当の戦争の話をしよう】も、読友さんたちのレビューから読みたいと思ってたが、原書【The Things They Carried】は小学生の推奨図書で英語は比較的簡単らしいので、そっちでいこうと思う。

2019/10/22

ケイ

春樹氏がまず紹介文を書いてからの訳が8つ。7つ目のトム・ジョーンズ、『拳闘士の休息』を読んで、この本にも春樹氏が訳した短編があるので手にとった。つまり春樹氏の訳本ではなく、トム・ジョーンズ目的で。『なぜ私は書くのか』という本のために書かれたエッセイ。ブッ飛んだスパイスのきいた文章で自身の半生を語っているのだが、書きたいと思う人に対し、自分が書いている理由を懸命に説明しているのが伝わってきた。春樹氏が彼と出会った時のエピソートは『うずまき猫』に書かれていたが、あの印象も強烈でどんな人かとても気になっていた。

2014/06/21

スミス市松

T・オブライエンのヴェトナム再訪記「私の中のヴェトナム」はここから『失踪』へ続き、『トムキャット』『世界のすべての七月』という彼自身の「ヴェトナム」に到る過程として興味深く読んだ。50歳過ぎでデビューしたT・ジョーンズ驚愕の回顧録「私は……天才だぜ!」はとにかくすごい面白いし溌溂した生の肯定を強く感じる。「グッド・レイモンド」、彼を温かい眼差しで見つめ、愛すべきエピソードに溢れた白眉のメモワール。泣いた。一人の人間としてここまで鮮烈に語ることができること、それもまたカーヴァーの素晴らしさじゃないかと思う。

2011/07/07

mejiro

D.T.マックス「誰がレイモンド・カーヴァーの小説を書いたのか?」、ジョン・ポール・ニューポート「ジョン・アーヴィングの世界(改訂版)」、トム・ジョーンズ「私は…天才だぜ!」、村上春樹「翻訳の寿命は、いったいどれくらいのものなのだろう」が特におもしろかった。作品では窺い知れない、作家の一面や創作の舞台裏が興味深かった。カーヴァー、大変だっただろうな…。編訳者の解説が参考になった。なかでも、アーヴィングやジョーンズに会ったときの話がおもしろい。タイトルが印象的。

2017/03/13

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