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白い犬とブランコ 莫言自選短編集

白い犬とブランコ 莫言自選短編集

白い犬とブランコ 莫言自選短編集

作家
莫言
吉田富夫
出版社
NHK出版
発売日
2003-10-23
ISBN
9784140054369
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白い犬とブランコ 莫言自選短編集 / 感想・レビュー

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白義

ディテール豊かに再現された飢餓と貧困にあえぐ農村の現実を地にして、時に美しく、時に哀しく、時に絶句するようなさまざまな瞬間を形にした短編集。莫言自身の講演も収録されていて物語の大地に流れるパトスへの理解がより深まる。表題作含めいくつかは「中国の村」からと重複しているが、収録数はこっちが上。莫言の本領は圧倒的に長編の愉快で幻想的な饒舌だと思うが、中短編の容易な理解や言語化を許さない、苦境の中から漏れてくる声の重みも捨てがたい。本当にとても上手い作家だなあと感心する

2012/11/07

ひろゆき

読んでいるときにノーベル賞受賞。おめでとうございます。この短編集、まだ疎遠だった七十年代ころの文革末期の中国人の生活がわかる。『白い犬…』生活の恨みがつのる女の革命は夫を家族を全否定。作り物めいた信仰にむけて行動する壮絶さが美しいが、男はたじろぐだけ。『豚肉売りの娘』これも同種か。男は殺害されるが、しかし平坦な生活は続く。『愛情』気持ちが言葉に支配されていない少年。発情に基づく、素朴な、どストレート告白。めでたし。『初恋』うまくいくだけではない。ままならぬ。ほか十編。

2012/10/16

syachi

生々しいまでの中国の文革時代の農村ってことか。著者が作家になった理由を語ったスタンフォード大での公園もあってなかなか面白い。三食餃子…

2015/04/18

Mark.jr

戦争、農村、神話、女体と著者の長篇作品にも見られるエッセンスが詰まった短編集らしい短編集かと。

2024/03/22

すけきよ

非英語圏の小説を読むと感じるのは、「知識」が「実体」を伴うこと。例えば、南米文学を読んで季節が逆なのを実感するとか。今回のそれは「纏足」。完全に歴史トリビア以上でも以下でもなかったんだけど、本当に生活の中に存在し、しかもけっこう最近までいたのね。また、貧しい農村とそこに暮らす人々が描かれていて、厳しい生活ながらも、それが郷愁を呼ぶのかもしれないが、個人的には全く逆の感想。そこに描かれる全てがグロテスクに感じしてしまい、特に臭いが漂ってくる文章がかなりしんどかった。もやしっ子でスミマセンね(笑)

2009/05/22

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