ノアの子
ノアの子 / 感想・レビュー
ケイ
実際に、カトリックの神父様がユダヤの子供たちを匿った例は、ベルギーやフランスでたくさんあったと思う。本来、神は1人しかおられないのだから、神を信じる者としては同じ。『民族の文化を壊してはいけない』という視点に欧州の抱える民族問題への意識を感じる。ある民族が生き延びるには、その文化が残るためのものをノアの方舟で守るということ。アイヌやインディアンやロヒンギャなどの文化のためのノアの方舟がきちんとありますようにと私も強く願う。読友さんの、ぜひ読んで下さいという一言で手に取った本。感謝。
2018/04/01
空猫
読メで知り。大戦中、ナチスの迫害から守ったキリスト教神父とユダヤの少年達の物語。キリスト教は「愛」を説くが万人を愛すことは無理、だがユダヤ教は「尊敬」を説く、これなら出来るのでは。しかしどの宗教も否定せず「神は人間のすることに干渉しない。神は「自由な」人間を創造しただけだから、人間は自分のすることに責任を持たねばならない」。易しい文章だけど、とても奥深い…一言では括れない色んな事を考えさせられる、そんな一冊だった。この著者の他の作品も読んでみたい。
2018/04/11
asaXD
「何が起ころうと、神の仕事が終わっていることには変わりはないということだよ。今度は人間の番なんだ。」シンプルな語りですが、いろいろと考えさせられます。
2013/06/30
ti
ナチス政権によるユダヤ人迫害の真っただ中で、子供たちをかばったベルギーのカトリック神父の話。その手の小説はいろいろな人が書いているけれど、この本は単にユダヤ人迫害の悲惨さを強調するだけではなく、人間の宗教というものに対するあり方について考えさせてくれる。迫害されるものに手を差し伸べる、神父の型に嵌らない世界観。「私たちクリスチャンってのは、ひょっとしたらセンチメンタルなユダヤ教徒にすぎないのかもしれない・・・」それが神父として正しいかどうかではない。ただ、個人的にはすごくおすすめ。
2013/05/18
Mayumi_M
ミーハーにしか見えないポンス神父の"コレクション"が、実は生き方への提案を保護することだったとは……と判った瞬間に後光を感じた。
2021/11/09
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