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イッツ・オンリー・トーク

イッツ・オンリー・トーク

イッツ・オンリー・トーク

作家
絲山秋子
出版社
文藝春秋
発売日
2004-02-10
ISBN
9784163226309
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イッツ・オンリー・トーク / 感想・レビュー

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里季

「直感で鎌田に住むことにした」書き出しが絲山さんらしい唐突な感じ。こういう文章が好きで絲山さんがすきになったのだったなあ。東京を知らない私には鎌田がどんなところかよくわからないが、読んで行くうちになんとなく町の空気を感じるようになった。ひょんなことから親戚のうつ病の男を居候させることになった主人公。ほかにこの町のいろんな人々が出てくるがみな一癖ある。が、彼女はそれらの人たちと実に心地よく生きているのだ。イッツ・オンリー・トーク。ただそれだけの物語だがそこがまたいい。もう一篇は乗馬を扱った「第七障害」

2016/12/30

アマニョッキ

ちょっとやばいこれは。好きすぎる。絲山さんの作品どれも好きだけれど、これは別格に好きかも。「庭付き一戸建ての本間がほしいわけではない」「痴漢の理解は試験管で取り出したようにピュア」「胸の奥の方を快くくるくるまわる気恥ずかしさ」今回も名言の宝庫。人生なんてムダ話みたいなものかもしれないけれど、ムダ話以上に楽しいことなんてそんなにないし、そのムダ話に付き合ってくれるひとたちを大切にしていれば、また笑える明日がやってくるような気がする。イッツ・オンリー・トーク!最高のタイトル!そして最高の作品!

2019/02/06

bura

絲山秋子デビュー作。蒲田界隈でどうでもいい様な、でも愛おしくなる様な生き方をする35才の優子さんの日常。大学を出て新聞社に勤めるも精神を病み退社し画家になる。EDの議員、ヒモのボランティア、出会い系サイトの痴漢等々と妙な面々と付き合いながらゆるゆるに、しかし自分に割と正直に生きている。そんな彼女の「無駄話」が綴られていく。作者の感性はとてもビビッドであり、電気の様にピリピリ伝わって来る。それでいて読後が何故か清々しい一冊、この作風は好きだなあ。

2021/02/20

クリママ

表題作含む2編。「イッツ・オンリー・トーク」賛否両論あるレビュー。私は残念ながら後者。ずるずる語られる男がらみの話。こんな年頃にはこんなこともあるだろうけれど、それは語るべきことじゃないし、聞きたくもない、というのが感想。「自分がどう思おうとも優ちゃんや私は恵まれていて…」という友人言葉のみしっくりくる。「離陸」が大好きで読み始めた絲山作品だが、「離陸」とこの作品の間には大きな河が流れている。どうやって渡ったんだろう。

2019/09/24

とりあえず…

It's only talk.すべては無駄話。これですべてを説明しきってるタイトルです。というわけで感想終わり!といきたいところだけど、もうちょっとだけ書いときます。。。表題作:一般的に見るともうダメダメ人間の日々を綴っただけなんです。だけど、その中に彼女なりの秩序であったり、彼女にとっては必要不可欠な要素がちりばめられていて、気づくと彼女の心に寄り添ってしまうような感覚になります。絲山さん、デビュー作なのに恐るべし。 第七障害:羨ましい。きっとこちらを好きな方、特に女性には多いと思います。

2013/10/30

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