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扉守(とびらもり)

扉守(とびらもり)

扉守(とびらもり)

作家
光原百合
出版社
文藝春秋
発売日
2009-11-25
ISBN
9784163287300
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扉守(とびらもり) / 感想・レビュー

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文庫フリーク@灯れ松明の火

冴え冴えとした月光の下、古びた井戸から溢れだす澄んだ水。かすかな光を帯びたそれは《雁木亭》前の小路をたちまち水路に変える。満月の光に照らされて漕ぎ来る白い小舟。心ならずもこの町‐潮ノ道‐に戻れなかった魂。店の前『船でお越しの方はこの杭におつなぎ下さい』の文字。杭に船をもやった魂は、月の照らす間だけ懐かしき町と人を巡り夜明けに浄土へ旅立つ。この井戸の水を飲んだ者はこの地の力に引かれ必ず戻り来る【帰去来の井戸】の言い伝え。架空の町・潮ノ道は著者故郷の広島県尾道。不思議な力持つ町を舞台の短編七編。→続く

2011/09/24

ダイ@2019.11.2~一時休止

連作短編集。一部怖いやつもありますが全体的には優しい感じのするファンタジー。井戸のやつが一番よかった。

2017/09/16

エンブレムT

ゆったりとした静かな時の流れや、土地というもののチカラが伝わってくる不思議な物語。少しずつリンクした短編集なのですが、幻想的という大きな共通項があるので、読後は1つの優しい物語を読み終えたような印象が残りました。「この町が本当にあればいいな。この人達が本当にいればいいな」そんな思いが湧きあがってきます。文章も装画も切なく美しく、いつまでもその世界に浸っていたいと思わせる魅力がありました。どの物語も大好きです。

2010/03/24

ちはや@灯れ松明の火

凪の海を撫でる潮風の匂い、安らかな鼓動に似た波音。三つの山に抱かれた潮ノ道には人の目に触れることなく街を見守る『扉』がある。その先は異世界、扉はある時は堅く閉ざされ、ある時は風にそよぐレースのカーテンのようにふわり翻り世界の色彩を変える。懐かしい故郷へと帰り来る舟、絵の中に広がる桜の国、空をさまよう靴下のこうもり、聞こえぬ声を辿りそれぞれの形で表そうとする劇団やピアニスト。街に残された眠る想いをそっと描き、奏で、紡ぐ旅人たち。優しさもせつなさも苦さもあたたかさもすべて包み込んで、海と山の街を彩る。

2010/03/12

nyanco

光原さんの優しい世界が広がる素敵なファンタジー。私のお気に入りは『旅の編み人』生まれ来なかった赤ちゃんの思いが詰まった小さな靴下が、ピンク色のコウモリとなってお母さんを探す。少し切ない物語。そう…、編み物って編んでいる間の想いがギュっと詰まっているから、手編みのマフラーなんて心変わりしたあなたの首をギュっと・・・な~んて御用心ご用心w。弦を張られることを拒み、それを己で断ち切り、音を出させないピアノの隠された想いを描いた最後の作品も心に染みました。ゆっくりと、一つずつ長い時を経て紡ぎ出された煌めく物語。

2009/12/07

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