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雲を紡ぐ

雲を紡ぐ

雲を紡ぐ

作家
伊吹有喜
出版社
文藝春秋
発売日
2020-01-23
ISBN
9784163911311
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雲を紡ぐ / 感想・レビュー

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starbro

伊吹 有喜、二作目です。本書で第163回直木賞受賞作・候補作、漸くコンプリート(5/5)となりました。現在の家族の問題を岩手の豊かな自然が紐解き、美しい布が壊れた家族を包む感動の秀作でした。作品的には、今回の直木賞受賞作よりも上かも知れませんが、7回ノミネートに負けた感じです。著者が次回ノミネートされるとすると4回目なので、本作を上回る出来の作品でぶっちぎりで受賞して欲しいと思います。 https://books.bunshun.jp/articles/5636

2020/08/13

ウッディ

雲のような羊毛を紡ぎ、染色して、布に織り上げるホームスパン。友人の言葉に傷つき、引き籠りになった美緒は、祖母から贈られた毛織物のショールに包まれると心が安らぐ。母と衝突した美緒は、岩手の祖父の工房を訪れ、ホームスパン作りに魅せられる。孫を見守り、優しく言葉をかける祖父と自然の中で夢を見つけ、自分らしさを取り戻していく美緒。教師でもある母の言葉が厳しく、読んでいても胸を切り裂かれるようだった。子供の将来を思う気持ちは変わらないはずなのに、感情に任せて投げた言葉の鋭利さに自分も気を付けなければと思った。

2020/09/10

tenori

読後感の良さと「小説を読んだな」という充足感に満たされる伊吹有喜さんの優しい物語。崩壊しかけた家族、居場所のない学校生活。主人公の美緒を支えていたのは、一枚の赤いショール。それは交流が断たれていた父方の祖父母からの唯一の贈り物。家を飛び出した美緒の向かった先は、ショールを紡いだ祖父の工房がある岩手。糸を紡ぐことで自分の居場所と価値を見いだすきっかけをつかみとる過程が岩手の風土や街の景色とともに柔らかく描かれる。馴染み深い地名や店の名前が随所に織り込まれ、盛岡市民としては嬉しい限り。祖父の語る言葉も沁みる。

2020/08/17

くりきんとん99

伊吹さんの本は、やっぱりいい!今回は、図書館で借りたけど、買えばよかった。これは、再読決定。高校へ行けなくなった美緒は家出した先の祖父のもとで少しずつ変わっていく。そしてバラバラだった家族も。伊吹さんの描く盛岡の景色がいい。それぞれの思いがいい。そしてラストも。すっかり盛岡に行きたくなった。今年は無理だけど。

2020/04/30

fwhd8325

以前、ホームスパンのドキュメンタリーを見たことがあります。映像でありながら、ホームスパンの風合いを肌で感じられるようでした。この物語は、母と娘の葛藤をテーマとしているようですが、私は、使い捨ての時代にあるファストファッションと対局にあるホームスパンで織り上げたジャケットやコートの存在感を感じました。作ること、使うことへ愛情を持つことの大切さです。もちろん、主題となる親子関係にもうるうるしながら、最近の伊吹さんの作品には泣かされっぱなしだな。

2020/07/25

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