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菊池寛が落語になる日

菊池寛が落語になる日

菊池寛が落語になる日

作家
春風亭小朝
出版社
文藝春秋
発売日
2022-01-11
ISBN
9784163914855
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菊池寛が落語になる日 / 感想・レビュー

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タイ子

菊池寛は「恩讐の彼方に」を読んだくらい。直木賞、芥川賞を創設した人。で、今回落語家の春風亭小朝師匠が菊池寛の短編を基に落語小説として出したわけで。菊池寛の作品を全く知らなくてもそこはちゃんとそのまんまの作品も出してくれているので菊池寛の作品を読んだぞ~、読書家だぞ~とかひとり悦に入った次第。作品は9編。多少アレンジしながら元の小説の筋は残しているというさすが、小朝師匠。「うばすて山」「好色成道」とか「龍」は菊池寛さん、好きになりそう。大正時代の作家さんて読む機会がないので、落語とともに楽しめて良かった!

2022/04/29

Willie the Wildcat

菊池作品のエッセンスを生かした落語化。美味しいとこ取りで、違いを楽しむ趣向。敢えて好みで分類。オリジナルに軍配を上げたいのが『時の氏神』と『好色成道』。前者は夫が時の氏神を認めて口にする点、後者は主人公が化かされずに気づく点。一方、落語に軍配を上げたい『予感』と『お見舞い』。前者は”天国”がピリリと辛みが利いている感で、後者は写真集で重苦しさを笑いに変える点。甲乙つけ難いのが『ある理由』。作家と噺家の特徴でニヤリとさせるオチ。両者、流石です。巻末の浅田氏と小朝師匠の対談も、視点の違いの面白さを裏付ける。

2023/03/25

がらくたどん

菊池寛の短編が好きだ。9作、うんうん。で天才小朝師匠が落語化ですってよ。帯もずるい。あのワンコと映っている写真みたことあるぞ。という訳で他の本を買いに行って一緒に連れ帰った。元短編と新作落語の併記。半分知ってるからって損はしない。原作から離れた噺を選んだそうだから、落語を読んで「へへ、うまく使ったね」とか思って短編読んで「ほほ~」と愉しめる。自分としては「葬式に行かぬ訳」が一番うまい事化けた気がする。ちゃんと京都時代の恨み節も笑いに溶かしていい感じ。逆に「入れ札」は設定を変えずにちゃんと可笑しい。良きかな

2022/05/07

名古屋ケムンパス

義理と人情と民主主義制度。国定忠治の時代にはおそらくこうしたことはないと思うけど、付き添いの子分を選ぶ「入れ札」を妙に興味深く読みました。後輩から一票の札も入らなかった古株の黒助兄い。自らが投じた一票に後悔を募らせます。客観と公平の追及は結構残酷でした。

2022/10/03

ゆーり

春風亭小朝師匠が、菊池寛の短編小説をアレンジして、落語として披露したもの。 菊池寛の元作も載ってるので、どこら辺のアレンジかわかって楽しい。オチのあるおかしい話、ちょっと現代の世俗を取り入れたり、リズムも高座で話してるようなテンポ感。「好色成道」が一番原作を踏襲してるかな。落語らしくて面白かった。「お見舞い」も何となく常々思ってることが赤裸々に描かれてる。「うばすて山」のぶっ飛び方も楽しい。名作を沢山書いてるけど地味な作家、というイメージの菊池寛。草葉の陰で落語を聞いて、笑ってると思います。

2022/04/09

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