なぜ不文律を破る第7世代は嫌われないのか? 第1世代から第7世代までの芸人世代を振り返る
『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(ラリー遠田/光文社)
2018年12月22日、お笑い芸人・霜降り明星のせいやが、深夜のラジオ番組でこのような発言をした。
ほんまにその新しい、勝手に次の年号の世代みたいな、「第7世代」みたいなのつけて、YouTuberとかハナコもそうですけど、僕ら20代だけで固まってもええんちゃうかな。
ハナコやゆりやんレトリィバァなどの同年代の若手芸人を、「第7世代」と称して、同世代で固まって芸能界を闘っていこう。このような考えを深夜ラジオで発したのである。このとき霜降り明星は『M-1グランプリ』優勝直後ということもあり、ちょっとした興奮状態だった。そのためせいやの発言にそれほど意図はなかったはず。
ところがその後、「第7世代」というワードが独り歩きして、現在までの大ブームを巻き起こす。第7世代を冠する新番組が乱立し、既存の番組でも第7世代をキャスティングすることが、視聴者を画面に引きつけるアクセントになった。一時期に比べるとブームは落ち着きを見せているが、狭き芸能界で彼らが残した爪痕は大きく、今も第7世代のポジショ…