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ブータン、世界でいちばん幸せな女の子

ブータン、世界でいちばん幸せな女の子

ブータン、世界でいちばん幸せな女の子

作家
阿川佐和子
出版社
文藝春秋
発売日
2022-06-29
ISBN
9784163915555
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「ブータン、世界でいちばん幸せな女の子」のおすすめレビュー

阿川佐和子最新作は、胸が熱くなる“女ともだちの物語”――存在感ゼロだった彼女が、誰よりも幸せになっていた!

『ブータン、世界でいちばん幸せな女の子』(阿川佐和子/文藝春秋)

 幸せを決めるのは自分自身。置かれた状態をどう捉えるかは自分次第だ。大切なのはポジティブシンキング。前向きな心を忘れずにいれば、どんなことがあってもきっと明るく生きられる。

 阿川佐和子さんによる小説『ブータン、世界でいちばん幸せな女の子』(文藝春秋)を読んでいると、幸せとは何か、幸せに生きるとはどういうことかについて考えさせられる。この作品は、せつなさに胸が熱くなる、女ともだちの物語。さまざまな女性たちの人生が交錯する中で浮かび上がってくるのは、不思議な存在感を持つ女性「ブータン」の生き生きとした姿だ。

 作品冒頭に収められた「ブータンの歌」の主人公は、渡部万里子、42歳。伯父の介護のために通っている病院の玄関を出ようとした時、万里子のもとに「覚えてない? この顔」と、ある女性が嬉しそうに駆け寄ってきた。彼女の名は、丹野朋子。中学の同級生だというが、万里子が声をかけられても気づかなかったほど、影の薄い存在だった。ブタみたいにパンパンに太っていたために「ブータン」と呼ばれていた彼女は、今…

2022/7/9

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ブータン、世界でいちばん幸せな女の子 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

いつでも母さん

心が弱っているのかな私…こんなあだ名で呼ばれたことは無いし、彼女のように優しくも無いのに(同じなのは体型だけ…汗)刺さって、隣にいるようで、最後は涙が止まらなかった。あの頃から、ん十年も過ぎて今、思い出すのは楽しい事ばかりじゃない。彼岸に渡った友もいる。「人間って、世界にたった一人だけでも、自分のことを信じている人がいるだけで、前を向いて生きて行こうという気持ちになるものです。」いる。私にもいる。だから今、ここに生きている。みんなにもいて欲しい。お薦めです。

2022/07/20

chimako

何年か前に日本を訪れたブータン国王夫妻を思い出す。「世界一幸せ度の高い国」から来たお二人は色鮮やかな衣装が良く似合うカップルだった。この「ブータン」は女の子の渾名である。女の子につけるにはどうかと思う渾名だが本人は意外と気に入っているらしいことが早々に明かされる。みんなが忘れてしまっていたエピソードやブータンその人の輪郭がだんだんと明確になってくる。人の幸せに基準はないなぁ。美人で裕福で家柄が良くても幸せかどうかは分からない。人付き合いも変わってくる。月見団子を食べなからまあまあの人生だと思った夜に。

2022/09/11

itica

幸せは誰かに託すものじゃない、自分で見つけるもの。日々の暮らしの中で、たとえ平凡でも幸せを感じることが出来たら、生き生きとした人生を送ることが出来たら、それでOKじゃない?━━━━かつて中学の同級生だった「ブータン」と言うあだ名の女性を巡る短編集は、私にそんな言葉をくれた。ような気がする。

2022/10/02

Ikutan

突然病院で、中学時代の同級生が話しかけてきた。殆んど記憶になかったのに、彼女は馴れ馴れしい。ブタみたいに太っているから、渾名はブータン。ところが、彼女はその渾名が気に入っているという。何でもポジティブに考え、グイグイ距離を縮めてくるブータン。ちょっと引いてしまったワタベだったが..。自分が幸せだと信じる彼女に関わった人たちの六つの連作短編。読み進めるうちに彼女の過去や人となりが分かってきて、ワタベと同じように苦手意識がなくなって、好ましく感じられた。それぞれテーマの楽曲を聴きながら読むとより楽しめるかも。

2022/09/05

ゆみねこ

中学校の同級生だったブータンこと丹野朋子。太めで目立たなかった彼女とワタベの出会いから始まる物語は、6人の元同級生や朋子の同僚や仕事先の女性などの視点で語られ、娘たちの話で幕を閉じる。出だしで苦手意識を感じたブータン、最後には大好きになっていた。同級生たちの中でパン屋でバイトするカジドンの話が好きだったな。

2022/07/26

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