阿川佐和子さん「無理にコミュニケーションは取らなくていい」“対話の達人”に聞いた現代社会の会話のヒントは、強迫観念を捨てること【インタビュー】
大ベストセラーとなった『聞く力 心を開く35のヒント』(文藝春秋)に続き、このほど上梓した『話す力 心をつかむ44のヒント』(文藝春秋)も大好評の阿川佐和子さん。長年『週刊文春』の対談を担当されている「対話の達人」によるコミュニケーション指南とあって注目が集まるのも当然だろう。そんな阿川さんにセンシティブな「現代のコミュニケーション」についてお話をうかがった。
『話す力 心をつかむ44のヒント』(阿川佐和子/文藝春秋)
最初は「相手の気持ち」を考えることから
――『話す力 心をつかむ44のヒント』が現在10万部と大ヒット中ですね。
阿川佐和子さん(以下、阿川):10年前に『聞く力』で初めて新書を出したんですが、最初こそ「新書なんて書けない」と思っていたんです。学術的な匂いがするのに、私にはぜんぜんノウハウないですから。そのときちょうど『週刊文春』の対談が20年で、担当の方から「エピソードをひとつずつ書けばいいですよ」って言われて、書くことにしました。ただ「大事なことは○○です」と解説なんかできないけれど、結果として「これは大事だ」みたいに思うことは出…