水都眩光 幻想短篇アンソロジー
水都眩光 幻想短篇アンソロジー / 感想・レビュー
ひさか
文學界2023年5月号特集12人の“幻想”短篇競作から、9つの短編を収録して2023年9月文藝春秋刊。それぞれの作家さんの構築した多彩な幻想世界。いくつかは、機会をあらためて別なところで世界の広がりが語られるのではないかと思わせるような難解さと半端感を感じます。と思うと、このあとにどんな世界が広がるかが楽しみになります。そしてそれは作家さんを追いかけるということと等しいのかもしれません。
2023/11/18
沙羅双樹
「幻想」という名の下に集った才気溢れる作家たちによるアンソロジー。作家によって「幻想」という概念の解釈が異なっているところが面白かった。乾いた大地を幻の雨で濡らすような文体が集っている。個人的に好みだったのは、高原英理『ラサンドーハ手稿』と石沢麻依『マルギット・Kの鏡像』。特に後者は一推しの作家なので、楽しみに待っていた新作を堪能することができた。尚、こういった企画は幻想文学の土壌が深耕されていない日本において、非常に貴重なものだと思う。
2023/09/25
はね
知らない作家さんばかりの短編集。図書館で、表紙が素敵と借りたが、面白いと思ったのはひとつも無かった。
2024/03/24
氷沼
文學界2023年5月号「特集12人の幻想短篇競作」から9篇を収めて単行本化。 幻想短篇のアンソロジーであること、そして高原英理さんの作品を読むために買ってみた一冊。 そんな高原英理さんの「ラサンドーハ手稿」、マーサ・ナカムラさんの「串」、石沢麻依さんの「マルギット・Kの鏡像」、坂崎かおるさんの「母の散歩」が、良かった。 特に石沢麻依さんの「マルギット・Kの鏡像」、これは凄かった。内容こそ掴み所がなくて良く分からないものの、文体がとても好み。他の作品も読んでみたくなった、久しぶりの現代作家。
2024/02/12
カナチョロ
文學界のほうで既に読んでいたがなかなか面白い作品が多かったので書籍でも購入。装丁も美しい。収録作では大木芙沙子「うなぎ」とマーサ・ナカムラ「串」が特に良かった。よくわからない作品もあったが、それはそれで彩りのあるアンソロジーになっていると思う。
2024/01/03
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