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写楽百面相 (文春文庫 あ 13-12)

写楽百面相 (文春文庫 あ 13-12)

写楽百面相 (文春文庫 あ 13-12)

作家
泡坂妻夫
出版社
文藝春秋
発売日
2005-12-06
ISBN
9784167378127
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写楽百面相 (文春文庫 あ 13-12) / 感想・レビュー

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真理そら

冒頭の卯兵衛とニ三の会話で一瞬クラクラしかかったけれど、深川以外にこのタイプの権兵衛名があってもおかしくないよね、と立ち直ってじっくり読んだ。途中で卯兵衛の正体には気付いたけれど、肝心の写楽の正体については「きっと最後にどんでん返しがあるはず」的な疑いで読み進んでしまった。この作者らしく細部まで楽しい作品だった。

2019/02/13

チョモ

再読。浮世絵・芝居・川柳、江戸の粋が詰まった一冊。単に写楽の正体見たり、とするのではなく、主人公二三の想い人の死を巡ったミステリ仕立てになっているのが味わい深い。松平定信、葛飾北斎、そして蔦屋重三郎。当代随一の有名人が物語を彩ります。勿論、写楽の謎ときにも注目ですが、読み進める内にそちらは割とどうでも良くなってきたり(^^; 著者が描きたかったのは自説ではなく自分の物語だったのでしょう。島田荘司氏の『写楽』とは好対照に感じました。しんみりした表のEDの後、終章のラストで光るウィットが実に泡坂節。最高です。

2013/12/30

やどかり

登場人物が多過ぎて、そしてその登場人物が持ってる名前が複数で話を追いかけるのが大変だった。手妻など当時の言葉を知らないことも影響して、やっとおもしろいと感じれたのは最後の方。いろいろなからくりが隠されていて、最後は蓋を空けてびっくりな結末。改革当時の話だが、歌舞伎役者や有名どころの作家などが出てきて華やかな時代に思えた。

2013/02/26

てっしー

江戸の下町情緒が存分に味わえる艶やかな作品。絵師や作家、力士や歌舞伎俳優などの有名人が所狭しと動き回ります。(ちょっと詰め込み過ぎかも。)ストーリーは、軸が何本もあって、どれが本筋かよく分からなかったのですが、最後は綺麗に纏まった感じです。学校では政治史と文化史を分けて教わったので、寛政の改革が文化に与えた影響が今ひとつ分かってなかったのですが、これを読んでよく分かりました。島田荘司の「写楽」でもそうでしたが、蔦重の存在感はやはり凄いですな。

2012/06/28

yonemy

版元の二三が惚れた女が死体となって川に浮かび、二三は女の素性と死の理由を明らかにするために動き出すのだが...。芝居、からくり、手妻に蔦重に北斎、吉原の花魁と、登場人物が多彩で、華やかな江戸文化が伝わる。そこに寛政の改革も絡み、越中守も出てくるのだから話のスケールが大きい。禁裏でスキャンダルを起こした二人が江戸へ下り、男は色坊主に、女は遊女になり、その秘密を守るために...。なのだろうが、ここまで大仕掛けにしないほうが謎解きも楽しめたような気がしました。

2019/09/18

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