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新装版 昭和史発掘 (3) (文春文庫)

新装版 昭和史発掘 (3) (文春文庫)

新装版 昭和史発掘 (3) (文春文庫)

作家
松本清張
出版社
文藝春秋
発売日
2005-05-10
ISBN
9784167697020
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新装版 昭和史発掘 (3) (文春文庫) / 感想・レビュー

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金吾

○日本のエリートの特性かも知れませんが、軍部将校は夜郎自大で視野狭窄であると感じました。違いは青年将校は甘えはありますが汚れは少なく、中堅将校は所詮は立身出世の道具として革命ゴッコをしている印象をもちました。

2021/08/09

さきん

日露戦争後、大正ロマン、昭和恐慌へ。同時に農村地帯も空前の豊作及び、農作物暴落に餓死者や身売りなど悲惨な情景が展開。五一五事件や二・二六事件に至る実行者の出身は、こうした農村からでたものが多かった。佐官クラスは、ムスタファケマルや皇国史観の影響を大きく受けたものが作戦を制定し、そこに共感する将官クラスが黙認という形で支持した。同時にロシア革命と並行して、共産主義、社会主義運動も活発化したが、日本の場合は、憲兵がスパイとして潜り込んだM事件により、壊滅させられ、この勢いのまま、小林多喜二捕縛に至るそうだ。

2021/10/06

KAZOO

正史にはあまり出てこない事件をよく調べていると思います。清張さんと司馬遼太郎さんが書く題材を決めるとそれに関する資料が神保町からほとんどなくなった塔噂話がありますが、本当にそうなんだと思わせるくらいによく調べられています。私は2.26事件にも興味があるのですが、桜会というかいなんて知りませんでした。五・一五事件やスパイ”M”なども読みでがあります。

2014/09/12

金吾

○「桜会の野望」は佐官将校たちの大言壮語と中身のなさに読んでいて嫌になるくらいです。特に仕事もほっぽらかして上京し、女性の見受け代を要求した長勇とそれを制止できない橋本欣五郎には呆れます。5.15事件や独断越境も同様ですが、信賞必罰が出来ない自浄作用がない組織は機能しないことがよく伝わります。

2022/10/17

かふ

「「桜会」の野望」「五・一五事件」「スパイ"M"の謀略」の三本立。「「桜会」の野望」は五・一五事件、二・二六事件の軍事クーデターの先駆けとなった「十月事件」。日露戦争後の外交の失敗と政府の腐敗、貧困層と財閥との格差社会(今の日本に似ている状況かも)が背景。農家出身の青年将校らが個人独占資本主義に対する不満が天皇を中心とした国家主義として、共産主義とも成りかねない社会主義的な思想に重臣たちは憂慮したが、やがて日本全体が軍部主体の国体となる思想がはびこり、満州事変、支那事変の軍部独裁に繋がる流れが出来ていく。

2019/07/15

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