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ドナウよ、静かに流れよ (文春文庫 お 39-1)

ドナウよ、静かに流れよ (文春文庫 お 39-1)

ドナウよ、静かに流れよ (文春文庫 お 39-1)

作家
大崎善生
出版社
文藝春秋
発売日
2006-06-09
ISBN
9784167715014
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ドナウよ、静かに流れよ (文春文庫 お 39-1) / 感想・レビュー

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chiru

衝撃作でした。ドナウ川で33歳の男性と心中した、19歳留学生の短すぎる命の軌跡を追うルポライター。二人を心中に導いたものとは…聞き込みと取材構成の尋常じゃないリアルさに違和感を覚えながら文字を追う。そして衝撃…。秘密を耳打ちされたような疑似的な感覚に陥り、19歳が抱えてきた真実に心がばらばらになる。恋人の言いなりになる恋は、誰にも肯定されない。でも恋愛に理屈が通ったら、それはもう恋愛じゃない。恋の行き先を見失っても、自分で答えを見つけた彼女の不器用な恋が、どうか天国で昇華しますように…。 ★5

2019/05/31

おいしゃん

海外で起こった邦人心中という小さな三面記事を、引き寄せられるように取材し、当人らの孤独な心の奥底に迫る、切ない力作。

2020/03/31

みも

いわゆるルポルタージュではあるが、極めて個人的な心中により儚く命を落とした少女の足跡を追う物語。客観性を意識しつつも、少女が死に至るまでの余りに凄絶な道程に、沸き上がる感情を抑制出来ないと言った筆致。いくつもの「もし」が、読者の僕に問いかけて来る。終章前に唐突に挿入される彼女の写真。死を選択した彼女の激烈さと、悪戯好きな幼子の様な表情とのギャップが先鋭な切っ先の如く僕の胸を射抜き、しばし茫然とその写真から目を離せなかった。最後まで両親と和解出来なかった事は痛恨の極みであると、僕も一人の親として深刻に思う。

2016/07/12

巨峰

33歳の男性と、ドナウ川に入水自殺した19歳の女子留学生。ノンフィクションであるがゆえに、非常に重たくて厳粛なものを感じた。小説家である筆者は、温かい目で、温かい筆致で、彼らと彼らを救えなかった人達を描く。失われて戻らない者たちは哀しい。失ったとしても、現実は続く、その世で生き続けないといけない者は、悲しい。深く深い感動に近いものが心に残ります。

2010/10/16

James Hayashi

新聞の小さな記事より若い男女の日本人がドナウ河へ入水自殺したことを知った著者。調べていくと女性の母とは著者も面識がある著名人。ノンフィクションであるが中途で死に至らしめた原因のようなものが判ってくるが、著者は現地に赴き、そこにある文化、情景、人々の生活より想いを馳せる。若きゆえ、希望を見出せない未来に終止符を打ったのであろうか?単につまらない男に引きづられてしまったのか?切ない二人の若者の死…

2015/03/15

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