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タペストリーホワイト (文春文庫 お 39-2)

タペストリーホワイト (文春文庫 お 39-2)

タペストリーホワイト (文春文庫 お 39-2)

作家
大崎善生
出版社
文藝春秋
発売日
2009-10-09
ISBN
9784167715021
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タペストリーホワイト (文春文庫 お 39-2) / 感想・レビュー

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ミカママ

タイトルはキャロル・キングのアルバムより。高校時代『二十歳の原点』にハマり、その後も学生運動周辺ドキュメンタリーを貪り読んだわたしには、なかなか重みのある作品であった。恋愛小説を期待していたので、そこのところは薄味で残念。正直こういう内容を楽しめるのは、わたしの世代が最後かなぁと思う。若い世代にはなんのこっちゃ?だろう。日本にも、こういう熱い(かつ狂気に満ちた)時代が、それほど遠くない昔にあったのだよ、若者たちよ。

2020/02/14

おしゃべりメガネ

久しぶりの大崎さん作品でした。やっぱり期待を裏切らない素晴らしい文章にひたすら感嘆するばかりです。キャロル・キングの名作『つづれおり』をベースに書かれた連作集で、ここ最近ないピュアで哀しげな作品を読ませていただきました。主人公の何かにとりつかれたような考えや行動はさておき、刑事「松本」がカッコ良すぎでした。ここ最近、意外と泣ける作品がご無沙汰だったので、改めてやはりココロ震わされ、涙腺をじんわりと攻めてくる作品はありがたいかなと。作品全体を通して『生命(いのち)』にふれる流れもココロに響きました。

2014/12/16

菜穂子

高校を卒業後上京、専門学校の寮に入った。一緒に暮らす同級生には、最高学府で学ぶ同郷の友達がいた。ある日その彼が死んだ。夜道で襲撃され、命を落とした。この物語を読んで彼が死んだ意味とその時代のことがはからずも理解出来た。そしてその時代の終わりを掠めながら何事も無かったかのように時だけが過ぎてしまった。

2017/04/02

巨峰

衝撃的な内容。裏70年代史ともいうべき。僕よりほんのひと回り上の人たちがこのような経験を実際されていたとは想像したこともなかった。「シラケ世代」という名称だけは知っていたけど。内ゲバとかってもっと特殊な人たちのことだと思ってました。学生運動の末路ってこんなに悲惨で残忍だったのか。「ノルウェーの森」と一緒に読むと凄くよくわかると思います。なぜ、あんなに自殺する人が多いのか。本当に若くして死ぬ人が多かったんですね。

2011/02/17

エドワード

「いちご白書をもう一度」という歌がある。1975年・荒井由実作詞作曲。「就職が決まって髪を切って来た時 もう若くないさと君に言い訳したね」という詞が当時中学生の私には新鮮で大人びて聞こえた。人生は一度きりだ。大学生活も自分の生きた時代しか知り得ない。1977年に東京の大学へ入った洋子は、姉と恋人を過激派に殺されるという恐ろしい経験をする。81年に大学に入った私とは決定的に異なる大学生活がそこにある。刑事に救われ、専門学校へ再入学し、21世紀を生きる洋子。私の少し上の世代の、かけがえの無い、ほろ苦い思い出。

2018/05/19

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