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怒鳴り癖 (文春文庫 ふ 14-12)

怒鳴り癖 (文春文庫 ふ 14-12)

怒鳴り癖 (文春文庫 ふ 14-12)

作家
藤田宜永
出版社
文藝春秋
発売日
2018-10-06
ISBN
9784167911584
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怒鳴り癖 (文春文庫 ふ 14-12) / 感想・レビュー

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5 よういち

さて困った。面白くない訳ではない。むしろ私の中ではそれぞれの主人公に共感する部分もあって楽しめた。しかし、感想を書こうとしても、あらすじ以上のものが出てこない。 郷愁?ノスタルジック?身近なホラー?どれも違う。 解説にあった「いつまでたっても女ごころの分からない男たち」これはこれで正解なのだろうが、物語の本質ではないと思う。◆主人公はほぼ全員が人生の下り坂を迎え、静かに日々の営みを繰り返す男たちばかり。そんな彼らが、自分の撒いた種によって、日常に潜む迷路に迷い込む。女性家族は冷ややかな目で男を見守る。

2019/03/12

じいじ

私のお気に入りは表題作。主人公は、元の会社仲間をパートナーに起業した男、54歳。仕事もできるが、少しばかり気短で「怒鳴り癖」なのが玉にキズ。そんな主人公が、二人組の男に殴られてしまう災難に。犯人の目星もつかずに時は過ぎます…。この主人公の直情径行の仕事ぶり、少々頑固な性格が、小生の現役当時と重なって、懐かしいと同時に心苦しい思いもしてきた。この短篇に登場する、苦境を乗り切り再起を目指す、6人の男たちを描いた物語は面白かった。もっとも、現役を離れた今だから気楽に読めたのかもしれないが…。

2022/08/12

hit4papa

平穏に生きてきた中高年男性が、迷いを感じるひと時を切り取った短編集です。どの作品も出だしはぐぐっと引き込まれるのですが、ドラマチックな展開を期待していると肩透かしを食らいます。もやっとした結末の方がリアルであるものの、物語として読ませて欲しいですね。暴漢に襲われた直情径行型の経営者は誰に恨まれたのか「怒鳴り癖」、痴漢として通報した近所の男が自死してしまい「通報者」、老年の弁護士が目にした傷害被害者は学生時代の恋人か「時には母のない子のように」等、6作品。ノスタルジーを感じるのは、自分も同年代だからかも。

2022/06/13

カブ

人生の迷路に迷い込んだ6人の男たちの、昭和の雰囲気漂う、6つのお話。ひとつの事にこだわるあまり、どんどん負のスパイラルにハマりこんでいくようでスッキリしない読後感。

2018/10/18

nemuro

『裏切りの特急サンダーバード』(西村京太郎)に続く“しりとり読書”の63冊目。「人生の“迷路”に迷い込んだ男たちを描く短編集」とのことで、表題作を含む6編を収録。昭和な時代背景に懐かしさを感じながらの読了。藤田宜永は、最近になって何となく気になり始めた作家。そこそこ購入本もあっただろうかと本棚を眺めてみたら本書の他に10冊。意外に多い。しかし既読は、<探偵・竹花>シリーズの第1作、『ボディ・ピアスの少女 新装版』と、渋いタイトルに惹かれての『通夜の情事』くらい。今後も時折手を延ばしてみようかと思うところ。

2021/12/20

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