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野の医者は笑う 心の治療とは何か? (文春文庫 と 34-1)

野の医者は笑う 心の治療とは何か? (文春文庫 と 34-1)

野の医者は笑う 心の治療とは何か? (文春文庫 と 34-1)

作家
東畑開人
出版社
文藝春秋
発売日
2023-09-05
ISBN
9784167921019
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野の医者は笑う 心の治療とは何か? (文春文庫 と 34-1) / 感想・レビュー

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水色系

沖縄で人々を癒す「野の医者」(学問の外からアプローチする、時々スピリチュアルなところが医者や学者とのちがい)に迫る一冊。面白いし、文体からして面白い。助けられた人が助けるようになる、という連鎖など、確かになあと思いながら読了。

2023/11/28

ryohjin

沖縄で勤務する臨床心理士が、地元で癒しの治療を行う「野の医者」をフィールドワークし「心の治療とは何か」を問います。好奇心旺盛に受けた「野の医者」たちの治療の様子が面白く描かれますが、ある意味商売敵である「野の医者」と親しくつながり取材できるのは著者の人柄によるのでしょう。著者は臨床心理学の立場にたちながらも「野の医者」の存在を否定せず、心の治療の治癒は「ある生き方をあたえ」るもので、それぞれの治療文化のどちらがよいかの問いはナンセンスであり、「それは生き方の問題で、人生の価値は人それぞれ」と結論付けます。

2023/09/26

遊々亭おさる

野の医者とはスピリチュアルな方法で心の病(傷)を癒そうとする在野でカウンセラー的役割を担う人たちを差す。その道の専門職である精神医学を学ぶ人たちの療法と怪しげな理論の上の型破りなカウンセリングを施す野の医者たちの共通点と相違点を若き心理療法士が沖縄を舞台にして体当たり的フィールドワークにより浮き彫りにする一冊。心を癒す=道を示す。心の治癒とは癌の寛解とは違い治癒の定義が曖昧で治療者によりゴールが違う。どちらが良いとか悪いとかの話ではなく、自分に合ったゴールを知るために心の治療巡りの旅に出掛けるのも一興か。

2023/11/08

Kano Ts

フィールドワークの過程を経て、心の治療に関して学問とスピリチュアルの相対化を描いたノンフィクション。筆者は調査をする学者であり、治療を受ける当事者でもある。この2面性が物語としてこのストーリーを面白くしていたと思います。また、スピリチュアルな世界をより正確に捉えるためには必要な要素だったとも思います。思わず笑えるエピソードが中心ですが、「学者と野の医者の違い」などが説得力を持って描かれます。小説的な読み物としても、気軽な論文・新書的な読み物としても楽しめる良い本だった気がします。

2024/01/24

mozu

著者は、臨床心理士・公認心理師・博士(教育学)で、現在白銀高輪カウンセリングルームを主宰している。小説の解説や論考などで名前を見かけて気になっていた。臨床心理の専門家である著者が、沖縄で野の医者(近代医学の外側で活動している治療者たち)を体験しながら研究し、臨床心理士が本当は何者なのかを考える、テーマは「心の治療とは何か」。野の医者の本質やどういう風に生まれているのかが知れた。ユタとスピリチュアルの違いが特におもしろかった。感想は、人がそれぞれであるように、合う治療法・癒しはそれぞれなのかな、ということ。

2023/12/10

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