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臨床のフリコラージュ: 心の支援の現在地

臨床のフリコラージュ: 心の支援の現在地

臨床のフリコラージュ: 心の支援の現在地

作家
斎藤環
東畑開人
出版社
青土社
発売日
2023-11-25
ISBN
9784791776016
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臨床のフリコラージュ: 心の支援の現在地 / 感想・レビュー

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ネギっ子gen

【メンタルヘルス界隈にはトレンドがある。それは催眠術師の振り子のように揺れ続けてきた】うにさんに本書を教えられ――。精神科医と臨床心理士が、縦横無尽に語り尽くした書。『現代思想』掲載等を単行本化。フリコラージュとは、揺れる振り子の上でブリコラージュに励むこと。命名は、あの白石氏。東畑は、<僕は自由気ままに、なんの遠慮もなく、心の臨床オタクを丸出しにしてこの対談に没頭した。なぜなら、対談相手である斎藤環さんが、僕なんかよりもずっと年季が入り、比べものにならないくらい気合が入ったガチオタクだったから>と。⇒

2024/03/19

ころこ

タイトルをよく見ると、ブリコラージュではなくフリコラージュになっている。これは「振り子」ラージュということで、二項対立を脱するための振り子でありブリコラージュなのだ。第1章では深層と表層、この二項対立は精神分析と認知行動療法に、背景を個人症候群と普遍症候群、在野とアカデミズムと理解する。尚、ODは斉藤によれば、抑圧的な精神分析の批判から推進している文脈を考えると表層(後者)になる。前者を批判するための後者だが、エビデンス至上主義の悪しき風潮も指摘されている。第2章は中井久夫論で、診断(発症)と治療、素人性

2023/12/23

ケー

個人的には強い衝撃を受けた作品。 中井久夫、オープンダイアローグ、当事者研究、、、 多岐にわたるトピックスを巡る精神科医と臨床心理士の対話。 読む前はライトな内容かと勝手に先入観を抱いていたけれど、読むといい意味で期待を裏切られた。

2024/01/21

あー、面白い。学生時代に崇拝するようにして読んだ中井久夫(中井久夫を神格化するなと、同氏の死後の寄稿で、斎藤環は繰り返し書くね)。同氏によるサリヴァンの翻訳。最近小川洋子を通して苦手感を克服した河合隼雄(物語主義への同族忌避か?)。言葉作りの斬新さと感性のぶっ飛び方に、理解できないまま読んだ神田橋條治。札幌の読書会で読んだ「居るつら」から全て読破中の東畑開人。温泉ラカン合宿で読んだ斎藤環。本書は、私も辿ってきた道を、遥かに洗練された濃度で語り、解釈し、つむぎ直したり再構築を試みたりして来るのだった。

2023/12/09

青猫ノラ

オタクがガチオタクと出会う。そんな風に始まった二人の対話は、知の巨人たちの論理と好奇心の応酬でした。読書好きは、「第三章 臨床と物語」が面白いかもしれない。村上春樹さんの作品と川上美映子さんの『黄色い家』の違いについて、臨床心理学や精神分析の立場から論じています。物語を理解し、表現する言葉の幅を広げてくれる対談です。

2024/01/29

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