中国の思想(12) 荘子(改訂版)
中国の思想(12) 荘子(改訂版) / 感想・レビュー
ピンガペンギン
自然の変化に身をまかせること、無為自然。祖父母の家の床の間にある(あった)掛け軸の水墨画や何度も訪れた京都の禅寺の枯山水などの世界観のもとにありそうな思想に触れられた。一度読んだだけで、「何が書いてあった?」と聞かれても困るのだが、面白いのは確かなので、読んでみてほしい。私もやはり早死にするのは嫌だな、と思っているわけですが、長寿だとか「安定」だとかのみに価値観を置くことを強制されるのはいやです。ここには、そうではない世界がある。現代語訳はとても読みやすい。両義的・詩的な原文は翻訳不可能だとあった。
2024/02/11
ふみふみ
本シリーズの狙い通り、荘子の要点だけをきちんとした現代日本語訳でサクっと読めます。ただ、逆に心に響く部分も減じられたような。他にもいくつか読み比べてみたのですけど、中公クラシックスの森 三樹三郎さん訳が丁寧でエピソード毎に強力な解説もあって、一番いいですね。
2019/03/10
袖崎いたる
荘子といえば胡蝶の夢。胡蝶となって空を舞うことを「物化」と呼ばれる。夢の「存在することの淡い」の論理は、物と化することによって個物間の境界を取り払った合一の、万物斉同の、斉一の様態を語るといった具合だろうか。現に、荘子は腑分け言分けの知を「賢知」と呼び、俗世にありて天意に目覚めた知のありようを「聖知」と呼ぶ。浮かれさせてくれるのは無用の用についての思想ですね。まったく役に立たないからこそ、おのれ自身の道を窮めることができる。この「道」って観念がとにかくヤバくて、技や徳の到達すべき生命の移ろい/虚ろいなのね
2020/06/27
voyager2
限りない「聖人」への道。師と仰がれるものも無名の世捨て人に軽く一蹴され、盗人の頭にも逆説教を受ける始末・・ 正解の無いその理念を体得した「聖人」はすでに世に無いだけに限りなく神格化されるのみ。晩年には聖人といえ「聖人介護」を受けたはずなのだが・・・
2024/03/09
nico560
とても面白く、一気に読み進めてしまった。 中に書かれている事は、現代にも通じることだと思う。西洋的な言い方をすれば、「セルフコンパッション」や「マインドフルネス」と言った考えに近く、そういった考えを理解していれば、より、荘子や孔子の考えが理解しやすい。自分もこれからは、物事を判断せず、あるがままに受け入れられるようになっていきたい。
2020/06/28
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