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この国の不寛容の果てに:相模原事件と私たちの時代

この国の不寛容の果てに:相模原事件と私たちの時代

この国の不寛容の果てに:相模原事件と私たちの時代

作家
雨宮処凛
神戸 金史
熊谷晋一郎
岩永 直子
杉田俊介
森川すいめい
向谷地生良
出版社
大月書店
発売日
2019-09-16
ISBN
9784272330973
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この国の不寛容の果てに:相模原事件と私たちの時代 / 感想・レビュー

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ちえ

津久井やまゆり園の事件に関し雨宮氏と6人の方との対話。福生市の人工透析中止事件も話題に入り、新たに知る事や気づく事が多い。特に自閉的の息子を持ち、植松被告と面会を続けてきた新聞記者、神戸氏の言葉に重みを感じる〈彼には決定的に欠けているところがある。「障害者のお母さんがかわいそうだから代わりに殺してあげたのだ」と主張しても、実際にそのお母さんに「殺して欲しいですか」と聞いたわけではない。全部彼の頭の中の思い込みです…パニックを起こして走り回る子どもをどうすることも出来ないお母さんを見て大変そうだと思った…↓

2020/10/04

イトノコ

障害者施設大量殺傷事件を承けた対談集。これまで私は、植松被告は施設で働いている間に障害者に恨みを抱くことがあり、それに適当な理由を繋げて事件を起こしたのだろうと思っていた。しかし本書を読んで思ったのは、彼も自分の事を「役に立たない存在」だと感じており、そこから「役に立つ存在」に昇華したいという願望に世間に広まる過激な言説がコネクトして、事件が起こったのではなかろうか。その背景にあるのは、世間の「標準」から外れた者を排斥・攻撃する空気だ。普通に働き、普通に結婚し、普通に子供を産み育てる、と言うような標準。

2020/02/23

踊る猫

読後、明るさを感じた。いや、そんなに面白おかしい本ではない。相模原の凄惨な殺人から始められたこの6つの対話はシリアスで、障害者(私も発達障害者なのだが)として暮らすこと、そもそも誰もが生きづらさを抱えてしまっている今の日本の事情など、示唆に富む。だが、彼らは彼らなりに(7者7様?)処方箋を提示しており、それはファクトを重視した丁寧な議論や話を最後まで聞くコミュニケーションの重視など、バカにできないものが挙げられている。丁寧な議論も対話もムダが多くこのネット社会ではまず切り捨てられるもの。そのムダが宝なのか

2020/12/26

ゆう。

なんでも自己責任社会は、ネトウヨなどの排外主義と深く結びついている。生産性があるかないかで人々が評価され、自分であることが難しい社会。その延長線上に相模原事件があるのではないか。この本から学ぶことは多かった。

2019/10/20

Jun Sasaki

植松の主張の「合理性」に対して「人命は大切」と理想論を説くことのなんと空虚なことか。事故死した障害者の逸失利益をゼロにしたり、介護殺人の加害者に減刑嘆願が出されたりと、世間は「合理性」を後押しする判断にあふれる。思想の特徴は、バッシングの矛先が為政者ではなく、すぐ見える隣人に向いていること。すぐ見える世界「以外」が見える位置にいる人々は、長い目で見た合理性を説くこと。突破口を見出すとすればそこか。

2022/12/31

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