俺の残機を投下します
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「俺の残機を投下します」のおすすめレビュー
俺が死んでも「残機」が身代わりに!? 落ちぶれたプロゲーマーの再起を描く山田悠介最新作!
『俺の残機を投下します』(山田悠介/河出書房新社)
「残機」とは、ゲームにおける自機の残り数のこと。プレイヤーがミスをするたびに残機は減り、すべて使い果たせばゲームオーバー。戦闘機などの機体に限らず、マリオのような人間のキャラクターに対しても使われるゲーム用語だ。
だが、『俺の残機を投下します』(山田悠介/河出書房新社)における「残機」は、ゲーム内のキャラクター残数を示すだけではない。作中の世界では、人間にもひとりにつき3体の残機がいて、事故や病気などで本体が命を落とすと残機のうちの1体が消えるという。これは、そんな残機と出会った男の物語だ。
舞台は、eスポーツがオリンピック正式種目となった近未来。主人公の上山一輝は10代からプロゲーマーとして活躍してきたが、30歳を前にして成績不振に。妻子を置いて家を飛び出したものの、賞金も稼げずバイト生活を余儀なくされている。心もすさみ、周囲とトラブルを起こしてばかりの毎日だ。
そんな一輝の前に現れたのが、彼と瓜二つの顔を持つシンヤ、リュウスケ、ダイゴの3人。聞けば、彼らは一輝の「残機」らしい。一輝が命を落とす…
2020/9/12
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俺の残機を投下します / 感想・レビュー
starbro
山田 悠介は新作中心に読んでいる作家です。本書は、近未来eスポーツ残機ファンタジー、ベタですが、感動作でした。本書で、『残機』という言葉を憶えました。 優れた『残機』が存在していたら、人間はどんどん堕落するんでしょうね。 http://www.kawade.co.jp/zanki/
2020/07/31
☆よいこ
YA?29歳プロゲーマーの一輝は連敗続きで落ち目、バイトを始めなければ生活が立ち行かないほど追い詰められていた。離婚した妻への養育費も払えない。そんな中、一輝の目の前に現れたのは3人の自分と同じ顔の男たち。3人はシンヤ、リュウスケ、ダイゴと名乗り一輝の「残機」なのだと言う。本機である一輝が死にそうになると身代わりになる存在だった。一輝は3人をいいように使い、ゲーマーとして再起する事だけを考えた。▽主人公がクズ、ダメ男なので不快。eスポーツの世界の話なので面白いかとも思ったけどどうかな。
2021/07/05
雅
主人公のクズっぷりが凄かった。途中から成長(?)し、話の展開も盛り上がりを見せてくる。このまま感動的に終わるかと思ったら、ゾッとする終わり方。久々の山田悠介、期待通り
2020/10/07
美紀ちゃん
山田悠介ひさしぶり。これは中学校の図書館に入れてもセーフなやつ。 私に残機がいたら、ひっそり入れ替わるのではなく、姉妹としてカミングアウトして堂々と一緒に暮らし、それぞれの個性を発揮して、生活できたら、楽しいと思った。 事情はどうあれ。 嫁はいい嫁だった。素晴らしい。
2020/08/19
如水
“プロ”ゲーマーを題材にした小説を読むのは始めてなんじゃないだろうか(ゲーマーの漫画、小説はあったとしても)?と思う位新しい御話しですね。表紙にまず惹き付けられます。ストーリー的には最初、主人公に💢を感じる人も多いかもしれませんが、本人が『もうゲームオーバーなんだよ』と言ってから本当の物語が始まる…見たいな?其処からの話があっっっつい‼️そして最後にちょっと主人公と共にゾッとします😅キーは『残機』ですね。残機とは何を表すのか?投下するのは必然?自然?少し未来(2030年)の物語は中々オツな一品です👍
2020/07/30
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