ダ・ヴィンチ編集部が選んだ「今月のプラチナ本」は、山下紘加『あくてえ』
『あくてえ』 ●あらすじ● 「『あくてえ』は、悪口や悪態といった意味を指す甲州弁」。19歳のゆめは、あらゆることに苛立ち続けている。憎まれ口ばかり叩く祖母、優しさのあまり誰にも何も言えない母、外に子供を作って出ていった祖母の実子である父親、軽薄…
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『あくてえ』 ●あらすじ● 「『あくてえ』は、悪口や悪態といった意味を指す甲州弁」。19歳のゆめは、あらゆることに苛立ち続けている。憎まれ口ばかり叩く祖母、優しさのあまり誰にも何も言えない母、外に子供を作って出ていった祖母の実子である父親、軽薄…
山下紘加氏が2021年に上梓した『エラー』は、実に野心的で衝撃的な小説だった。テレビの大食い番組に出場するフードファイターたちの生き様を描いた同作は、山下氏の作家としてのポテンシャルの高さを見せつけてくれた。そして、『文藝』2022年夏季号に掲載…