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時間のかかる読書 (河出文庫 み 27-1)

時間のかかる読書 (河出文庫 み 27-1)

時間のかかる読書 (河出文庫 み 27-1)

作家
宮沢章夫
出版社
河出書房新社
発売日
2014-12-08
ISBN
9784309413365
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時間のかかる読書 (河出文庫 み 27-1) / 感想・レビュー

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KAZOO

横光利一の「機械」という作品、この本の中の最初に全文が収められていますが、をじっくりと読んでいくという面白い試みがされています。それだけでこのような文章を書けているというのはやはり著者が今まで読んだ本がものを言っているのでしょう。灘中学で、3年間で国語の授業で中勘助の「銀の匙」だけを読ませるという試みと似ているのかもしれません。このような読書も今の時代あってもいいのでしょう。ただとても私にはまねできません。

2015/10/19

鱒子

表紙のセンスに惹かれジャケ買い。著者が11年余りかけて書いた、横光利一「機械」についての解説本。わたしもグズグズ時間をかけて読もうと思いましたが、4ヶ月しかかけられませんでした。未熟者です。読書で何かを得たいと思う人は避けるべき本です。最大限に非効率的で、なんの役にも立たない事だけは保証できます 笑。ただこのグズグズ感は心地よさと楽しさを伴っています。これも読書の妙。

2018/12/06

(C17H26O4)

笑った。凄く面白かった。こんな本の読み方があったとは!横光利一の『機械』について「なかなか読み出さない」「できるだけながいあいだ読み続ける」そう決めて11年数ヶ月にわたって書かれた冗談のようなエッセイ。あまりに時が経っていてなぜそう決めたのか、もはやわからないというのも頷ける。本当になかなか読み出さないのにまず笑い、登場人物や場面についてのあらゆる角度からのしつこい考察、妄想に何度も何度も笑ってしまう。もちろん『機械』について理解は非常に深まります。『機械』を既読の人にもそうでない人にもおすすめ。

2018/11/02

メタボン

☆☆☆☆ まず「機械」の文体と宮沢章夫のエッセイの語りが、ひどく親和性があり、「機械」の登場人物たちにツッコミを入れる宮沢章夫の文章が、やたら面白くて仕様がない。宮沢が「機械」を超遅読の題材として選んだのも確信的だと思う。11年にわたり味読してきただけあって、全く思いつかないような視点がいろいろと出てきて考えさせられる。特に「改行」に関する考察は、深いなと感じた。

2020/03/29

じーにあす

横光利一の短編「機械」を11年と数ヵ月をかけて読むという、壮大な冗談をまとめた一冊。「機械」は30ページ程の短編。一回に読む分量は5行ほどだとか。遅読にも程がある。しかし!ここには著者の「機械」に対する愛がある!くどいくらい同じ箇所を引用したり突っ込んだりしていますが、本当に深く深く読み込んでいる。「何を言っているんだお前は」と著者は突っ込むけれど「そんな事を言っているオマエこそ何を言っているんだ」と読者は更に突っ込むという、横光利一と著者と読者の変なハーモニーが生まれてしまう。ニヤニヤが止まらない1冊。

2019/11/27

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