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絶望読書 (河出文庫 か 34-1)

絶望読書 (河出文庫 か 34-1)

絶望読書 (河出文庫 か 34-1)

作家
頭木弘樹
出版社
河出書房新社
発売日
2018-11-03
ISBN
9784309416472
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ジャンル

絶望読書 (河出文庫 か 34-1) / 感想・レビュー

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鉄之助

これは絶望を勧めている本では、決してない! 絶望の淵に沈んだ人にとっては「読書は命綱」。しかし、絶望の人に”前向きの本”を読ませると返って逆効果、後ろ向きになってしまうという。「すぐに立ち直ろうとする」のも良くない。絶望の気分に浸りきり、沈んだ時には沈み切る。私の経験からも同感だ。絶望の種類は千差万別、その人に寄り添ってくれる「それぞれの物語」を紹介している第2部が、圧巻だった。「絶望時の読書こそ真の読書だ」(吉田松陰の言葉)。胸に響く言葉だらけで、メモしていたらノートが真っ黒になってしまった。

2022/07/27

ソルティ

絶望した時には暗い本を読もう、そういう本を紹介もしている本。共感できた。私も人間関係に悩んだ時、自分の感情がよく分からずもやもやして、どんなに明るめの本を読んでも感情を表す言葉に引っかかり、「それだ!」と激しく共感した。絶望の内容によって暗くて、問題が解決しない本を読むのがいいらしい。それはやっぱり自分の絶望に「共感」してくれるから。その時に適切な本を読むことって大事。「本というのは、誰かひとりのために書かれているものではありませんが、不思議なほど「これは自分のことが書かれている本だ」と思えるものです。」

2019/11/27

KAZOO

頭木さんによる絶望したときには読む本は限られているということを、第一部と第二部に分けて書かれています。確かに絶望したときに明るく将来があるような本を読む気持ちになるのでしょうか?そこら辺を第一部で書いて具体的な書物について第二部で書かれています。確かにテレビなどで災害に合われた方にがんばれと言っているのは当事者からするともう頑張っているのにどれだけ頑張ればいいのかと思っていることと同じだと思います。同じ悲しみを感じて寄り添うことが必要なのでしょう。

2022/08/26

青蓮

明るくてキラキラした優しい物語より、暗くて陰鬱な悲哀と苦悩に満ちた絶望的な物語を好むのは生きることを諦めた過去があるからなのかもしれない。他者との楽しさや幸福の共感は割と容易いけれど絶望の共感は難しい。そんな時に心に寄り添い救ってくれるのは本、物語だと著者は言う。長く読み継がれてる古典作品にバッドエンドが多いのもそれが理由なのではないかと。後半では著者の感想も交えながら作品を紹介。絶望している時に読んではいけない本が番外として入ってるのが面白い。私はこの作品を大分前に読んだけれどお気に入りの作品です。

2018/11/26

yomineko@猫と共に生きる

絶望している時には一緒に絶望してくれる本を!楽しい本を読んだって悲しみが増すだけ!フランダースの犬のラストを変えネロ達が生き返るというハッピーエンドで終わらせた話があるらしいがどうも頂けないのは同意!夢は努力しても叶わないラストの映画があるらしい。「ばしゃ馬さんとビッグマウス」どうしたって駄目なものは駄目!カフカやドストエフスキーと一緒に絶望して更に深みに嵌るのが正しい。倒れたら倒れたまま!だっていいと思う。著者の他の本も読みたい。岸辺のアルバムというドラマが凄くよさそう😊

2023/10/27

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