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黄金虫変奏曲

黄金虫変奏曲

黄金虫変奏曲

作家
リチャード・パワーズ
森 慎一郎
若島正
出版社
みすず書房
発売日
2022-04-12
ISBN
9784622090786
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黄金虫変奏曲 / 感想・レビュー

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やいっち

約3週間を費やして読了。素晴らしいというより凄い作品。リチャード・パワーズは既に日本でも定評ある作家だって。我輩は、一月初旬書店へ。みすず書房フェアに遭遇。心ならずも(?)みすず書房の本を纏め買い。その一冊が本書。

2024/03/09

ヘラジカ

850頁超え二段組、あらゆる分野を横断して知的に構築された、圧倒的知性による驚異の綜合小説。トマス・ピンチョンにも比する野心的な大作ではあるが、筋書きは起伏に富んでいるとは言い難く、科学的な記述に忍耐力を試されなかったと言えば嘘になるだろう。しかし、ボリュームに反して構想は明快で、音楽や遺伝学のエッセンスが二つのラブストーリーに絡まっていく様は一種エキサイティングでさえある。一冊の本にしては凄まじく長い道のりではある。それでも、時間をかけて踏破するだけの価値がある作品だとは断言できる。傑作。

2022/04/11

ykshzk(虎猫図案房)

最初は必死で、途中から中毒のようになって、1ヶ月かけ読み終わった後に呆然とする。次にどんな本を読んでももう満足出来ないんじゃないかと心配になる。完全にレスラー博士(主要登場人物の一人)のとりこになっていた。全てのものは実はシンプルなのだ。遺伝子も、感動する音楽も。それを説明するための850ページ。自分という存在は唯一なんだということをもっと自覚せよという博士からのメッセージ。DNAの二重螺旋の梯子。ヤコブの梯子。自分の中で二つの梯子が捩れて四次元に。そして自分の細胞の奥深くへと、自分自身が迷い込む感覚。

2022/08/02

kochi

もし、少し先にまとまって本を読める休みがあるのなら、本書を買うか、図書館で予約することをおすすめします。ぜひ読んでください。10年に一度の稀有な読書の時間を経験することができるでしょう。理解の程度は別にして少なくとも私にとってはそうでした。暗号の本であり、遺伝学の本であり、バッハのゴールドベルグ変奏曲がメインのテーマとなった、50年代と80年代を隔てたカノンのような恋愛小説。進化の爆発のような溢れ出る言葉に圧倒されました。いずれにしろ850ページを超える本書について何かを記すには250字余りは少な過ぎ…

2022/07/29

8123

たまたま自己のコピーをつくりだせる分子が出現したことによって、目もくらむようなバリエーションを生み出した生命の世界と、アリア低音部の変奏が延々と反復するゴルトベルク変奏曲の類似に膝をうったのであろうが、それでここまで重量感のある大作を書き切る筆力にはおそれいる。物語自体が増殖をうながし反復をもたらす仕組みで、二重三重に考え抜かれた構成なんだろうけど、いかんせん当方の知力ではフォローしきれず。不妊女性との恋愛という2つの変奏曲にフォーカスすればとりあえずの読解は可能。

2022/09/02

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