スペース金融道 (河出文庫 み 35-1)
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スペース金融道 (河出文庫 み 35-1) / 感想・レビュー
Shun
闇金×SF。SFアンソロジー「NOVA」掲載作品をまとめた連作短編。主人公の”ぼく”が、悪魔のような上司ユーセフと共に債務者から貸した金を回収する日々を描く作品となっていて、ここから普通ではないのが本作がSF小説だということ。銀河の入植地を拠点とする彼ら新星金融の主な顧客はアンドロイド、そしてたとえ核融合炉の中だろうと取り立てに行くという社訓まである。実際彼らは人工知能の潜むダークウェブにまで出向いたりしている。毎度ユニークな取り立て手段と彼ら凸凹コンビの活躍はまるで喜劇や漫才を見ているかのようでした。
2024/03/19
ふりや
ずっと読もうと思っていた作品が文庫化されたので嬉しい!さっそく購入しました。宇宙を股にかける金融会社に勤める「ぼく」と上司のユーセフ。相手が人間であろうが植物であろうがアンドロイドであろうが金を貸し、返済が少しでも遅れれば(文字通り)地獄の底まで取り立てに行く。一見ドタバタコメディのようですが、連作短編になっている5篇を読むとしっかりとSFであり、あるシリアスなテーマを内包していることが分かります。とは言ってもエンタメとして非常に楽しく読める作品で、さすが宮内悠介!と言いたくなるクオリティの高さです。
2024/04/18
ソラ
【読了】D+ ところどころあるユーモア感が結構好き。債権回収については従事したこともあるので(こんな作品みたいなことはない)、そういう個人的な理由でちょっと乗り切れなかったところもある。
2024/03/10
かもすぱ
タイトル通りの借金取りSF。宮内悠介の悪ノリSFが好き。バカSFなんだけど、ただ宇宙なだけじゃないしっかりSFしててタチが悪い。植民惑星を舞台に、アンドロイドや人工生命相手に債権回収。主人公のうらぶれ技師と切れ者上司のバディもので、この一冊で"お約束"ができてる。量子金融工学のアイデアも面白い。初出が2016年だけど、また思い出したように書いてほしい作品。
2024/03/24
ワタシ空想生命体
アンドロイドや知性を持った植物にも融資する新星金融。そこで取立を担当しているぼくと上司のユースフが巻き込まれる数々の災難。アンドロイドが人類を超える知性を持たないよう制限する新三原則が面白い。
2024/03/18
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