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恋の罪 (河出文庫 516C マルキ・ド・サド選集)

恋の罪 (河出文庫 516C マルキ・ド・サド選集)

恋の罪 (河出文庫 516C マルキ・ド・サド選集)

作家
マルキ・ド・サド
渋澤龍彦
出版社
河出書房新社
発売日
1988-06-04
ISBN
9784309460468
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恋の罪 (河出文庫 516C マルキ・ド・サド選集) / 感想・レビュー

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ケイ

【恋の罪】中編三つ。心が高貴であれば、贅沢さのもたらす幻想に迷いはしまい。男を見極める目を持てるに違いない。取っ替え引っ換えの出来る物は、本当は無用なもの。いつら手に入れようが、幸せにはなるまいに。【小咄、昔話、おどけ話】とことんまでの脇雑さが小気味良い。革命前にここまでのエロ喜劇を書くとはあっぱれ。ページ稼ぎのエロ小説とは格が違う。【末期の対話】合理的無神論と思える。神はおらずとも善人は善人であり、救えない人物は救えない/恋の罪の二つ目の中編のみ退屈だったが、サドはこの路線のはその後外れたらしく、納得。

2017/08/23

YM

サド入門として。まだこの一冊しか読んでないから何ともいえないけど、この200年近く前のサドの小説は今の僕にもリアリティを感じるとことができた。中でも「末期の対話」はきっとサドの心の叫びなんだと思う。徹底して神を否定し、神こそが人をダメにしているんだと訴える。すごくロジカルで分かりやすい。この時代によく言えたなあ。あと「オーギュスティーヌ〜恋の駆引」の同性愛の女性を、男性が気を引こうとする話は面白い!そうやるんね。教訓めいた話から、ばかみたいな話まで楽しめた。サドの本質を見に長編チャレンジしよっかな。

2014/11/23

ふくしんづけ

読んでから気づいたが、原書『恋の罪』の三編と、別の賞編作品とで一冊になったもの。『恋の罪』からは古典的復讐劇『ロドリグと呪縛の塔』が良かったが、個人的に掌編群が好み。特に『オーギュスティーヌ〜』。同性愛者の嬢の熱弁。〈彼らのいわゆる罪なるものが生殖を度外視することから人類を絶滅せしめるであろうとて、世間は心配しているのでしょうか?〉〈自然は種の繁殖を許す、しかしけっして要求しはしない〉〈こうした慣習に従うのを毛嫌いする傾向の人々がいたところで、自然というものはそんなことに気を悪くするようなものじゃないわ〉

2022/01/27

双海(ふたみ)

「末期の対話」にサドの哲学のエッセンスが・・・。徹底的な全面否定の無神論。

2013/11/13

ぜっとん

澁澤訳のサド。サディズム! ってかんじではないけどインモラルで退廃的で耽美的でよろしい。ジョーク集みたいなのも好きだったし、「末期の対話」なんかにも見られた天文的なモティフなんかも魅力的だった。

2013/11/28

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