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居心地の悪い部屋 (河出文庫 キ 4-1)

居心地の悪い部屋 (河出文庫 キ 4-1)

居心地の悪い部屋 (河出文庫 キ 4-1)

作家
ブライアン・エヴンソン
アンナ・カヴァン
岸本佐知子
出版社
河出書房新社
発売日
2015-11-05
ISBN
9784309464152
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居心地の悪い部屋 (河出文庫 キ 4-1) / 感想・レビュー

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ケンイチミズバ

これから起こる恐ろしいことを思いながら読み進める。まぶたを糸で縫い付けられた男がもうすぐ友達らしい男に殺されるのを待ってるようだ。ただ、簡単には殺されず。銃もあるのに。マラソンマンでナチの残党は元歯科医の腕を活かしてドリルを使った。ニキータの失敗の後始末に現れたクリーナーは酸を使用した。昔、タイのカンチャナブリで戦争博物館を見学したときに建設現場から逃亡し憲兵につかまったイギリス兵の捕虜が裸にされジャングルの木に縛られて一昼夜放置される拷問の様子を描いた絵を見たことを何故か思い出した。確かに居心地の悪い。

2021/09/06

sin

繰り返し押し寄せてくる波に魅せられたように、1つの物語を読み終えると気づけば次の物語に進んでしまっていた。収められた作品はいずれも本の表題が示しているように居心地の悪い…そう、言い換えれば不安の塊のような感触を与えられるものなのに、気づけば読み終わってしまっていた。傷が治りかけのかさぶたのように気になってしょうがないといったところでもあろうか?

2016/01/22

中玉ケビン砂糖

幻想的・不条理・ナンセンスといった紋切り型の言葉では括れないような掌編の数々。『遁走状態』で少し気になっていたからブライアン・エヴンソンを先に読んだが、「こういう系?」という意外性。怯んで本を閉じるもよし、ガッツで読み進めてもよし。多分どれから読んでもいい。つまり少しでも興味をひかれたものから。「潜水夫」「あざ」「やあ、やってるかい!」等々もいいが、「ささやき」での切れ味抜群な一言が、冷たい刃のように胸を刺し貫く。

2022/09/03

harass

奇妙な味(古ッ)の短編アンソロジー。最初のブライアン・エヴァンソン「ヘベはジャリを殺す」に参る。コントのようなシチュエーションだが説明がなく思わせぶりな描写で進んでいくのが唖然としてしまう。アンナ・カヴァンにも参った。彼女の長編は挫折して積読しているが短編のほうがいいのかもしれない。『オリエンテーション』もいいねえ…… 

2016/03/17

澤水月

突発性鬱が掌編で癒される…まぶたーっ!な、官能も漂うヘベはジャリを殺す、エグい戦争譚のはずが突如幻想のチャメトラ、どう眠った?などなど、どストライク。日本の実話怪談的なのもあり随筆も拝読した上で実は訳者の中に怪奇は浸み込んでいるのかとも思う。訳文も随筆も岸本印、さすが。数編似た趣向の映画を連想したがどちらかが影響しあっているのか? ケーキは早よせな…と気が気でなかった(笑)。ラストの野球トリビアものは実は幻想譚らしいのに全く疎いため歯が立たず悔しい。ともあれ掌編アンソロは最高。海外作品リハビリしていきたい

2016/05/31

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