注目の新刊 『なんらかの事情』 ダ・ヴィンチ2013年2月号
空想を繰り返し、現実を特異な世界にしてしまう著者の最新エッセイ集。ダースベイダーについてあれこれ妄想した「ダース考」など、磨き抜かれた文章で広がる唯一無二の岸本ワールド。運がない、存在感が薄い、という心情の吐露に共感する人も多いのでは。
最終更新 : 2018-06-08
翻訳家
空想を繰り返し、現実を特異な世界にしてしまう著者の最新エッセイ集。ダースベイダーについてあれこれ妄想した「ダース考」など、磨き抜かれた文章で広がる唯一無二の岸本ワールド。運がない、存在感が薄い、という心情の吐露に共感する人も多いのでは。
取材・文=瀧 晴巳 写真=冨永智子
岸本佐知子(きしもと・さちこ)1960年生まれ。洋酒メーカー宣伝部を経て、翻訳家に。訳書にニコルソン・ベイカー『中二階』『フェルマータ』、リディア・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジュディ・バドニッツ『空中スキップ』等。エッセイに『気になる部分』『ねにもつタイプ』がある。 『変愛小説集』 岸本佐知子/編訳 講談社 1995円 いっぷう変わった恋愛小説を集めたアンソロジー。バドニッツにベイカー。岸本訳でおなじみの作家のほか「この作家のこの一編だけでも紹介したかった」と長年のストックから選び出したとっておき。最初の一編「五月」は岸本さんのイチオシなので、まずはこれからお試しあれ。岸本印にハマること請け合いの全11編。
●『五月』アリ・スミス
アンソロジーって、どの作品を一番最初に持ってくるかで読者の第一印象が決まってしまうところがありますよね。だからどの作品にしようかずいぶん悩んだんですが、やっぱり自分が一番気に入ったこれにしました。ある人が、…
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