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四重奏

四重奏

四重奏

作家
逸木裕
出版社
光文社
発売日
2023-12-20
ISBN
9784334101749
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四重奏 / 感想・レビュー

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パトラッシュ

芸術家志望者が主人公の小説は多いが、むしろ日本の硬直した楽壇への叛逆者である鵜崎四重奏団の設定が興味深い。オーケストラ中心の音楽界では客を呼べる指導者が大きな力を持ち、そこへ入れなければ活動が難しい。神経質で深く考えすぎるため組織になじめぬ脱落者は必ず出るが、そんなチェロ奏者を集めて独自の活動を続けるのは他の楽団と断絶するので、孤独に耐えられねばやっていけない。反対を許さない独裁者が率いる形で活動するのは、過激派やカルト集団に相通じる。はぐれ者のセーフティネット内で音楽家が生きられるのかがテーマに思えた。

2024/01/18

いつでも母さん

【辛口御免】ん~ん・・ん・・んな感じ。音楽ミステリーとあるがそこまで?『私たちは、本当に音楽を理解できているのだろうか?』いやいや、音楽だけじゃない相手をだよね。女性チェリスト・黛由佳の死の真相を探るチェリスト・坂下英紀の言動から見えるのは〈解釈〉の捉え方だった。芸術とか音楽とか私の知らない世界は多分奥が深くて、表現はそれぞれ違うのだろう。見る方聴く方の感じ方も多様なのだろう。それで好いんじゃないだろうか?なんて素人の私は思う。感じ方は人それぞれだ。ただ本作は私には合わなかったというだけで・・

2024/01/18

ゆみねこ

放火事件に巻き込まれ命を落としたチェリストの黛由佳。由佳の演奏に魅了されていたセミプロのチェリスト・坂下英紀は、彼女の死の真相を探るため「火神」の異名を持つチェリスト・鵜崎顕の『鵜崎四十奏団』のオーディションを受けようとする。音楽を理解すること、演奏者も聴衆も、とても難しいことだと感じた。

2024/04/14

オーウェン

チェリストの黛由佳が火事で命を落としたが、そこに疑問を持つ同じチェリストの英紀は、由佳が習っていたチェリストの鵜崎顕のオーディションを受けて謎を解こうとする。 音楽で食べていくのがいかに難しいのか。スポットライトを浴びる人の苦しみ。 曲の演奏などの描写が実に繊細であり、模倣と解釈という結論は果たして正解なのかどうか。

2024/04/12

hirokun

星3 音楽を題材にしたミステリー小説の形をとっているが、ミステリー小説としては何か納得できない部分が残った。ミステリーとしてはいまいちであったものの音楽を含め、他人の行っていることを解釈することの困難さについてはよい問題提起をしてくれた。演奏の良しあしについても心理学的にも解明されている様々な歪が評価に大きな影響を与えている。だから、所詮他人を理解することも、正しく解釈することも不可能であり、解釈しようとすることに意味がないという極論に走ろうとするが、正しいかどうかは兎も角、理解しようと努めることは重要。

2024/01/29

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