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逸木裕

職業・肩書き
作家
ふりがな
いつき・ゆう

「逸木裕」のおすすめ記事・レビュー

  • レビュー・書評

人間の本性を暴きたくなる欲望を抑えられない――才能を開花させていく探偵が辿りつくのは…ビターなミステリ連作短編集

人間の本性を暴きたくなる欲望を抑えられない――才能を開花させていく探偵が辿りつくのは…ビターなミステリ連作短編集

『五つの季節に探偵は』(逸木裕/KADOKAWA)

 わたしはね、〈人間〉を見るのが好きなんだよ。他人の皮を剝いで、その奥にいる〈人間〉を見たい。そういうものにずっととり憑かれてる――『五つの季節に探偵は』(逸木裕/KADOKAWA)の主人公・みどりのセリフである。高校時代、熱中できるものが何も見つからなかったみどりは、みずからのことを〈常温の水道水〉と表現していた。口当たりがよく、温度もちょうどよく、それなりにミネラルも入っていて、まあまあ美味しい水道水。そんな自分に大きな不足を感じることもなく、自分はこのままたんたんと生きていくのだろうと思っていた彼女だが、唯一、他人と比べて少し変わっていることがあった。父親が調査会社を営んでいる、いわゆる探偵だということだ。

 同級生もそれを知っているから、ときどき「お父さんに調査してもらってよ」なんて頼まれることもあったみどりは、同級生の怜から持ち込まれた「教師の弱みを握ってほしい」という依頼も当然、無理だと退けた。けれど怜は「だったらみどりが調査してよ」と食い下がる(父親の仕事を見たことがあるんだからできる…

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少女の死に隠された真相は……。謎解きが終わった後に展開するラスト16ページの奇跡に驚愕!

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『空想クラブ』(逸木裕/KADOKAWA)

 小学校時代の同級生だった真夜が、川で死んだ。葬儀からの帰り道、空想好きの中学生・吉見駿は川岸に佇む真夜の幽霊を見てしまう。真夜の魂を解放するために、駿はかつての仲間たち――「空想クラブ」のメンバーに協力を求めるが……。

 横溝正史ミステリ大賞受賞作の『虹を待つ彼女』(KADOKAWA)をはじめ、『星空の16進数』(KADOKAWA)、『電気じかけのクジラは歌う』(講談社)と、専門知識に基づいた理系ミステリーを次々に放つ俊才・逸木裕さん。最新作『空想クラブ』(KADOKAWA)は、ある少女の死からはじまるミステリー小説にして青春小説、そして少年少女の成長を繊細な筆致で綴ったビルドゥングスロマン(成長小説)だ。

 物語は駿が6歳の頃、父方の祖父から「空想する能力」を受け継ぐところから幕を開く。

「この世界のあちこちには、たくさんの〈窓〉が隠されてる。そこを開くことができれば、お前は色々な世界を見ることができる」

 祖父がそう語るとおりに、駿はその場にいながらにして世界中のどの光景も、見ようと思えば見ることができる。…

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「逸木裕」の本・小説

星空の16進数

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作家
逸木裕
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-06-29
ISBN
9784041069189
作品情報を見る
風を彩る怪物

風を彩る怪物

作家
逸木裕
出版社
祥伝社
発売日
2022-06-09
ISBN
9784396636258
作品情報を見る
四重奏

四重奏

作家
逸木裕
出版社
光文社
発売日
2023-12-20
ISBN
9784334101749
作品情報を見る
五つの季節に探偵は

五つの季節に探偵は

作家
逸木裕
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-01-28
ISBN
9784041111680
作品情報を見る
世界の終わりのためのミステリ (星海社FICTIONS)

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作家
逸木裕
爽々
出版社
星海社
発売日
2023-06-28
ISBN
9784065319314
作品情報を見る

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