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二人静 (光文社文庫 も 11-6)

二人静 (光文社文庫 も 11-6)

二人静 (光文社文庫 も 11-6)

作家
盛田隆二
出版社
光文社
発売日
2012-11-13
ISBN
9784334764869
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二人静 (光文社文庫 も 11-6) / 感想・レビュー

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90ac

年老いて認知症になると“四苦”のうち“老と病”の2つを抱え込むことになる。自分も遠からずそうなるかもしれないと思うと辛いな。この作品はそんな父の姿と世話をする主人公の様子がじっくりと丁寧に書き込まれています。それに父を担当するの介護師の女性とその娘との関わりが、物語に綾を織り成してくれます。さらにDV男も関って緊張感も増します。600頁の長編だけど、長さを感じさせずに読むことが出来ました。読み終わると、DV前夫も含め登場人物すべての人々の幸せを祈りたくなる。これはこの作者の旨さなのでしょう。いい作品です。

2015/05/21

八百

Twitter文学賞第一回受賞作品…絶対的な応募数が少なくアテにならずだが読後の感想はその冠に相応しい力作。若くして父親の介護を背負うことになった男と元夫のDVから逃げながら心を患う娘と暮らす介護職の女、そんな二人と二人が厳しい現実と静かに向き合いながら静かに愛を育んで行く物語。リアリズムの名手である作者のつけたタイトルに納得すること頻りなのである。取り上げられる現実はあまりにも重く誰にも避けて通れない問題ばかりなのだがそれでもそんな人生の行く先に明るさと希望を見据えるラストは圧巻! いい本だと思います

2013/01/15

雨猫

良かった!タイトルがいい。色んな組み合わせの二人。介護施設の状況は辛い。それなりに一生懸命生きた人生の終末がこれかと思うとたまらない。介護施設で働くあかりも、もう周吾とくっついちゃえよ!と思うのだがそんな過去を背負ってたら男性恐怖症にもなるだろう。女手1つで障害のある娘と生きるのも大変。皆問題を抱えているがなんとか前向きになろうとする姿が丁寧に描かれた読み応えのある小説。☆4.5

2015/05/14

かもめ

再読。東上線で川越駅下車・・・盛田隆二先生にも私にもなじみ深い川越が舞台の、介護と切ない恋愛の物語。本書をきっかけに、盛田先生の小説を沢山読んだ。リアルでノスタルジックで、なんとも言い表せない素直に泣けるような、心が洗われて奇麗になるような感覚になった。 のちの作品「父よ、ロンググッドバイ」でも重なる場面が多々あるので、続けて読むのも良いと思う。 親御さんを介護している人に、是非読んで戴きたい。介護疲れが絶対に癒されるはず。

2018/08/09

ちゅんさん

主人公と自分を重ねずにはいられなかった。人間、三十も過ぎれば人に言えないような事は誰にでもある。それは二十代の頃の私にはは分からなかった。 物語は大きな出来事はないが静かなそして確かな幸せを感じることができた。この本に出会えた事に感謝したい。

2017/06/25

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