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幸せスイッチ (光文社文庫 こ 37-3)

幸せスイッチ (光文社文庫 こ 37-3)

幸せスイッチ (光文社文庫 こ 37-3)

作家
小林泰三
出版社
光文社
発売日
2015-04-09
ISBN
9784334768683
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幸せスイッチ (光文社文庫 こ 37-3) / 感想・レビュー

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yukaring

タイトルと全くうらはらな邪悪でダークな短編集。謎のメリーさんから電話がありそれも段々と近づいてくると言う不気味な『怨霊』テケテケやカシマさんなど都市伝説の幽霊たちをスーパーストーカー扱いするセンスには本当に脱帽。『自分とどちらが大事なのか』常に理不尽に問いかけ続ける妻は最後に…『どっちが大事』身悶えするような不快さがループする『診断』全てを失い絶望した少女が出会った『幸せスイッチ』あらゆる苦痛から解放してくれるというこのスイッチの正体は?読めば読むほど気持ちが悪い、この奇妙な味わいはさすがヤスミン。

2024/05/24

藤月はな(灯れ松明の火)

表題作は世間知らずな女の子がどん底まで堕ちる物語なので本当に救われない。絶対、ヒロシが出てくるまでの暴漢はサクラだろ!ヒロシよ、地獄に堕ちろ!「勝ち組人生」の自分を損ねてまでお金と春子への蔑みに執着する姿が分からないし、「診断」は子供を考えない春子とそれに振り回され、従うしかない救急隊員に唖然。また、行きつく先は洗脳でも『ミッドサマー』は共感の暴力を用いるのに対し、「どっちが大事」は極端な二項対立と従わない意見の強烈な否定を用いているので胸が悪くなります。

2020/07/26

みくろ

6編の不穏な短編集。最初からやばい雰囲気むんむんだが、読めば読むほどその世界観に翻弄される。この短編集を一言で表すなら"噛み合わない"。読者が思っている常識、登場人物たちの会話…全てが噛み合わず、それがかなり不気味。特に「どっちが大事」「診断」「哲学的ゾンビもしくはある青年の物語」はやばい。ほぼ会話文なので、小説よりは舞台やドラマCD向けかもしれないが、台詞のやりとりが想像の遥か上をいくので怖い。個人的にはこういう短編集も悪趣味娯楽ホラーとして有りかなと思うが、普通の小説を求めてる方にはおすすめしない。

2015/08/14

うまる

6人の春子を巡る6話の短編集。中4話が、固定観念を揺さぶる奇妙な話で面白かったです。屁理屈禅問答のような、不条理な会話が楽しいのと同時に、理詰めが全く通じない人の怖さを感じました。"幸せ"に限らず、人がどう思ってるかなんて他人が評価する事じゃないと思うので、勝手に人を勝ち負けカテゴライズする人には「勝ち組人生」を読ませたいです。『セピア色~』を超える衝撃はなかったですが、今作も独特の切り口を堪能させていただきました。幸せスイッチONになりました。

2020/08/03

なっち

アンソロジー以外できちんとこの方の本を1冊読むのは初めてでしたが、あまりにもすごい不条理な世界にぶっ飛びました。特に『診断』が、最高にイライラしました。頭がおかしくなりそうなほどに。『勝ち組み人生』が想像力をかきたてられて面白かったです。(面白いなんて書いちゃダメですね)三崎亜紀さんの『バスジャック』っぽいかな?と思ってましたが、それより何倍もシュールでブラックで会話が噛み合わなくて、こういうの嫌いじゃないです!

2017/01/17

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