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エレジー

エレジー

エレジー

作家
赤松利市
出版社
光文社
発売日
2022-03-23
ISBN
9784334914554
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エレジー / 感想・レビュー

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みっちゃん

夜のまちに生きるひとたち。愚かしく、でも必死で。親に捨てられた少女を拾った中年男の話『アキラ』涙ぐみつつ読んでしまって、でも後から思春期の女の子はこんなことはしないよなあ、この人物造形はやっぱり男のロマンなのかと。でもその一途さとか健気さとか、そしてひとの善良さとか、信じてみたい。全編を通して通奏低音のように流れる哀しさ。優しさも加味されて、私の読みたい赤松さんが還ってきてくれた。

2022/06/05

タイ子

ちょっと引き気味の作品になりつつあったので何作品かスルーしてた赤松さん。ここにきて、あらあら何だかクドさが無くなってる。これもまた読み易くてスッと入ってくるので良しかな。3つの物語になっていて、舞台は新宿、北海道、大阪ミナミ。バブル全盛期からバブルがはじけて路頭に迷い始めた人たち。ニューハーフの哀しい人生と性。寒い道東で夫の暴力に耐えるフィリピン女性。ミナミの街中で親から捨てられた少女と救った男との物語。キモいと言えばそれまでだけどどこか憎めないピュアな関係が新鮮かも。この路線で行くのか、赤松さん。

2022/04/22

やも

【ショコラ】バブル期のニューハーフ界隈。故郷には帰れず、歌舞伎町でも周りは仲間なのか敵なのか、明日はあるのか。【マリア】北海道の漁師の清蔵はフィリピーナのマリアを嫁にした。都合よくマリアを使う清蔵。クリスチャンのマリアが最期には…。【アキラ】大阪でお父ちゃんにもお母ちゃんにも捨てられたアカネが出会った男・アキラ。食べていくためにアカネはアヤメと名乗り…。▶中編3話。飾り気なしでドキュメンタリーのよう。貧困と夢が交錯して、エレジーってタイトルがぴったし。どれもラストで流れ星を見て終わっててズルい🥺★4.5

2022/09/16

ma-bo

バブル前後の新宿、北海道(道東)、大阪ミナミが舞台の中編3つの物語。バブルに抗う会社員×元ショーパブのトップだったニューハーフとの歴史。還暦過ぎの漁師×フィリピンパブの女との結婚。13歳の捨て子×独身男との同居生活。景気の良かった頃とバブルがはじける頃の陽と陰が漂う。エレジー=悲歌、哀歌、挽歌。アキラはこれまでの著者の印象を覆すラストだった。だから最後に持ってきたのかな。

2022/08/30

Ikutan

平成バブル夜の街の三つの物語。第一話『ショコラ』では、新宿のショーパブで働くニューハーフの哀しい生きざまを描く。第二話『マリア』は道東のフィリピンパブが舞台。漁師の妻になったフィリピン人のやるせない日々が綴られる。第三話『アキラ』は道頓堀に置き去りにされた少女が、施設育ちの男に拾われ、逞しく生きる姿が描かれる。暫く敬遠していた赤松さん。出だしはゴルフ場絡みの儲け話にちょっとうんざりだったのですが、第二話からぐっと引き込まれた。特に第三話は、少女·茜の明るさとアキラの優しさに読後感も良好で、とてもよかった。

2022/06/09

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