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無言の旅人

無言の旅人

無言の旅人

作家
仙川環
出版社
幻冬舎
発売日
2008-01-01
ISBN
9784344014497
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ジャンル

無言の旅人 / 感想・レビュー

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あじ

『尊厳死』を扱った小説。父、母、妹、婚約者、医者、それぞれの立場で尊厳死をどう捉えていくか、粘り強く話が展開されるのが魅力的だ。二転三転していく論争は、読者を引きずり出すのに十分な共感力を伴っていた。論争の終わりが近づいたと思っていたら、突如ミステリーへと物語は移行する。ここでまた新たな“立場”が加わり、尊厳死の曖昧さに身震いする事になる。約9年前の作品で、話題に上らないのが残念な佳作だ。

2016/11/10

冴子

面白かった。仙川作品は好きだが、これは医療ミステリーとはちょっと赴きが違い、植物状態になった患者の家族の話といったところ。私自身は確かにこんな状態になったら、延命は望まないし、家族にもそう伝えてあるし、義母は生前余分な延命治療は望まないと言っていたので、自力で食事を摂れなくなった時には義母の意志に従った。息子に対して同じような態度を取れるか、というのは難しいかもしれない。公子が彼から心のうちを知らされてなかったことが事件が発覚したきっかけになったことを考えると、凄いと思った。

2019/10/23

くるぶしふくらはぎ

ミステリーではありますが、尊厳死について、めちゃくちゃ考えさせられました。自分ならどう?夫が望んだら?我が子なら?仮に、自分が植物状態ー今はこの表現は適切ではないとのことーになったら尊厳死を望んでいる人でも、家族でも受け入れられるのだろうか?大事な人と充分に話し合っておかなきゃいけないことなんだな。難しい。

2016/10/16

とらこ

『尊厳死』とても重いテーマでした。他人から見れば、本人が望むのであれば叶えてあげるべきだと思うかも知れない。しかしこのお話のように家族の立場になれば難しい判断を迫られることに違いない。一縷の望みがあるのならば、愛する人を簡単になど諦めきれる訳がない。激しい葛藤。管に繋がれて生かされていたとしても、まだ暖かいのだ。でももし自分がそうなったら。多くの人は自分が永遠に生き続けるかのように『死』から目を背け『遺言』を残していない。度々提起される問題だけどデリケート過ぎて答えを出すのは私にはまだ難しいと思いました。

2014/02/10

くらげ@

(☆☆☆☆)尊厳死がテーマ。自分ならという選択と大切な人の選択を尊重できるかは違うのかもしれない。話し合うことの大切さ、難しさ、興味深く読めました。ただ最後がもう少しつめてあったらなお良い作品だったかも。

2016/02/05

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