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その日、朱音は空を飛んだ

その日、朱音は空を飛んだ

その日、朱音は空を飛んだ

作家
武田綾乃
出版社
幻冬舎
発売日
2018-11-22
ISBN
9784344033894
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「その日、朱音は空を飛んだ」のおすすめレビュー

女子高生が飛び降り自殺、そして現場の動画が拡散―『その日、朱音は空を飛んだ』

『その日、朱音は空を飛んだ』 (武田綾乃/幻冬舎)

スクールカーストなどという言葉があるけれど、二人以上の人間が集まれば必ずそこに上下関係は生まれる

 おそらく学生時代、自分が教室内でどのポジションに属しているか、まったく考えたことのない人はほとんどいないだろう。そして、スクールカーストのどこに属しているかで、校内で起こる出来事の捉え方はまったく変わってくる。ある生徒にとっては楽しい思い出も、他の生徒からすれば辛くて忘れたい時間に過ぎないのだ。

『その日、朱音は空を飛んだ』(武田綾乃/幻冬舎)は1人の女子高校生の死をきっかけに、校内の人間関係が暴かれていく小説である。全7章でそれぞれ視点人物は変わり、立場が違う生徒の本音が浮き彫りになっていく。そして、平和な学校生活を送るため、生徒たちが共有した「秘密」の大きさに読者は戦慄させられるのだ。

 物語の発端は、3年生の川崎朱音が校舎の屋上から飛び降りたことだった。事件は自殺として片づけられ、学校は彼女の死因を調べ始める。そして、朱音がいじめられていた可能性を追及しようとした。だが、学校で配られたアンケートの…

2018/12/30

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その日、朱音は空を飛んだ / 感想・レビュー

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散文の詞

面白いです。 かなり重たいテーマなので、面白いという表現は良くないのかも知れませんが…。 それぞれの登場人物の感情表現が、微妙にずれている感じがしますが、それが、話に現実味をあたえていると思います。 結論はなんとなく解ってきますが、途中の手書きの部分やサブタイトルなんかの意味も最後にはわかります。 ラストに向けての盛り上がりと最後の言葉、なるほどと思わせる表現はうまいです。 結局、飛んだことに何の意味があったのでしょうか?

2020/10/08

machi☺︎︎゛

朱音が飛び降り自殺をする所から始まる。そして高校のクラスメイトから朱音についていろいろなことが語られる。10代らしい考え方と常に仲間といたいという上部だけの連帯感。スクールカースト、マウンティングと、もうお腹いっぱいになった。だけど自分の高校時代を思い出して懐かしい気持ちににもなった。あの時は自分たちの姿を俯瞰で見る事なんて出来なくて大人が思っている以上に必至だった。その感じとよく似ていた。

2020/11/02

モルク

ある日の放課後、進学校に通う高2の朱音は校舎の屋上から飛び降りた。またその瞬間をとらえた動画がネットに拡散する。いじめはあったのか、朱音はただのかまってちゃんだったのか。幼馴染み、クラスメート、恋人などが章ごとに語る。そして各章の最後に出てくる章題、これがそれぞれ的確に物語っている。友情、束縛、妬み、怒り、自己主張、ヒエラルキー、あきらめなどいろんなのもが絡み合い歪んだ真実が見えてくる。驚愕というよりはぞっとする事実。読後苦々しい思いが溢れる。そして「くひっ!」という笑い声がいつまでも残る。

2019/07/12

taiko

高校2年の朱音が校舎の屋上から飛び下りた。遺書は残されていなかった。クラスメイトや同級生7人が語る朱音とその日。 朱音の死の真相は。…モヤッとしてます。きちんと読み込めていないところがある気がして。最後にわかる莉苑の行動、莉苑は何故あんなことをしたのか。朱音は困った子ではあったと思うけど、その他のみんなも、高校生らしく利己的で、ある意味とてもリアルだと思います。各章のラストにあるタイトルが上手いなと感心しました。途中からとても楽しみになり、章の途中で読むことがないよう注意を払いながら→続く

2019/09/02

おくちゃん🌸柳緑花紅

怖っ!私の分かったかのようなレビューは、彼らに完全に拒絶されそうだ。最終頁のタイトル、その下にある○○○何?背筋が冷える。

2019/03/19

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