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しらふで生きる 大酒飲みの決断

しらふで生きる 大酒飲みの決断

しらふで生きる 大酒飲みの決断

作家
町田康
出版社
幻冬舎
発売日
2019-11-07
ISBN
9784344035324
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「しらふで生きる 大酒飲みの決断」のおすすめレビュー

30年間毎日酒を飲み続けた作家・町田康は、いかに禁酒に成功したのか――この方法論があれば、酒がなくても生きていける!

『しらふで生きる 大酒飲みの決断』(町田康/幻冬舎)

〈二十歳のとき、酒を讃むる歌十三首を読んで以来、大伴旅人だけを信じ、大伴旅人の言うとおりに生きてきた。(略)なにになったか、というと大酒飲みになった。〉という作家・町田康さんが30年毎日続けた飲酒を、4年前からやめてしまったのはなぜなのか。いかに禁酒を成したのか。

『しらふで生きる 大酒飲みの決断』(幻冬舎)はその顛末を綴ったエッセイだ。町田さんが酒をやめようと思い立ったのは、沈黙の臓器と呼ばれる肝臓が悲鳴をあげはじめたとか、日々の倦怠が抜けきらないとか、理由はいろいろあるのだけれど、具体的なあれこれよりも「酒を飲みたいという正気とやめたいという狂気がせめぎあい、わずかに狂気が勝利した結果」で今に至り、なぜやめたか自分でふりかえってみても「気が狂っていたとしか言いようがない」という曖昧な理由のほうになぜか納得させられてしまった。

 酒に溺れるのは、その時間だけは日頃の鬱憤も苦痛もすべて忘れて愉悦を味わえるからだ。大伴旅人が「人生の目的は酒を飲むことであり、すべては酒のために存在する」と言うとおり、町…

2020/1/4

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藤本さきこの本喰族!! 酒飲みにはつらい書名…『しらふで生きる』町田康 /連載第14回

 私にとって本は、食べて吸収し細胞にするもの。  食べることと同じくらいを作っていく。  食物が肉体のエネルギーを作るなら、書物は魂のエネルギーをつくる。  ひとつだけ違うことは、魂には「お腹いっぱい」という感覚がないこと。  お腹いっぱいにするために読むのではないのだ。  この連載「本喰族」では、魂がピンときた本をどんどん喰っていきたいと思います♡

『しらふで生きる』町田康

 大酒飲みの編集者が、恐る恐る「これ……」と教えてくれたのが読むきっかけでした。  大酒飲みの町田康さんが「しらふで生きる」と決めたそうです。  酒飲みには辛いタイトル。

 以前オンラインサロンでこの本を紹介したことがあった。しかし酒飲みたちの拒絶反応をすごく感じ、「オススメの本、買いました」とアップされる写真もどういう訳か「本の隣にビール」という構図が相次いだのです。

「読みます、でも酒飲みながらね」という抵抗。抵抗というより防御かもしれない。 「禁酒しよう」。  そう思って手に取るのとは全く違い、不意に聞くと脊髄反射で敵意と抵抗が出る。  なぜ禁酒と聞くとそうなってしまうの…

2021/9/4

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しらふで生きる 大酒飲みの決断 / 感想・レビュー

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starbro

町田 康は、新作をコンスタントに読んでいるマイブームの作家です。著者の断酒に纏わるエッセイ、哲学的な書です。ところで、著者は今でも断酒継続出来ているのでしょうか?私は、食事とそれに合う美味しいお酒を嗜む程度なので、絶対断酒はしません(笑)但し、断酒をしようと思ったら、達成出来る自信はあります🍶

2019/11/23

いつでも母さん

『ほどほどがいい』これは私の素直な感想。「酒なくして何の人生や」と言ったのは誰?30年間毎日飲み続けた町田さんの断酒エッセイ。所々面白く、だが少々そこまで言うかってくらい面倒くさくもあった(笑)ダイエット効果・睡眠の質が向上・経済的利得そして仕事の捗り。いいこと尽くめですね町田さん。酒飲みの読者なら必ず「わかるぅ!」があるはず。『人、酒を飲む。酒、酒を飲む。酒、人を飲む』沁みる言葉だ。

2020/02/06

ペグ

昔、大酒飲みだった。毎晩ウィスキーのボトル半分位飲んでいた。勿論休肝日等設けることはなかった。しかし、ある夜、鏡の自分の顔を見て〜脳が弛緩しだらしない顔を見て愕然とする。自分が情けなかった。当然次の日からわたしは断酒した。お酒をやめて賢くなったわけでは勿論ない。だけど、町田さんが書かれている通り、脳の道がスッキリしたように思う。人格改造、認識改造。アホであるわたしは今までよりずっと色々と、高みからは見えないような、読書も音楽も楽しめている。この本は人間の(生きること)を描いている。

2019/11/20

ネギっ子gen

あの町田康が、<4年前から(酒を)一滴も飲んでいない> と。何が起きたのか? 帯の<些細なことにも、よろこぶ自分が戻ってきた!><人生の寂しさを短さを酒なしで味わおうと思った>の惹句がイイ。本文は大伴旅人の「酒を讃むる歌十三首」で始まり「酒を貶める歌十三首」で終える。この構成良し。<酒を飲まないからといってあまり賢くない人が賢くなる訳ではない。けれども酒を飲むと賢い人が阿呆になる。そして阿呆はもっと阿呆になる。どうやらそんなことのようだ>。同感。「小説幻冬」連載時の『酒をやめると人間はどうなるか』を改題。

2019/12/20

R

大酒呑みの著者が、或るときから酒を飲まなくなった。その事実について、酒を飲むとは、生きるとは、楽しいとはと哲学的な文字戯れを行う本でした。結局なんだったのか、読み終えてさっぱりわからなかったんだが、凄いお酒飲んでいたのに、いわく狂ってしまったから酒を飲んでいない、やめたかどうかは最後までわからないという体で、あれこれ、そもそもなぜ酒を飲むのか、飲むとどうなるのかを語り、挙句、飲まなくなって凄くよかったというお話で終わる。あれこれ理屈をこねくり回して、最終的に、なんだよ、といいたくなった。

2020/02/05

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