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いのちの停車場

いのちの停車場

いのちの停車場

作家
南杏子
出版社
幻冬舎
発売日
2020-05-27
ISBN
9784344036048
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いのちの停車場 / 感想・レビュー

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ミカママ

「在宅医療」メインの作品を手にしたのは初めて。地味でスポットライトの当たらない分野なのだろう。実際、東京の大学病院救急センター(TVドラマ的には花形)からやってきた主人公も「役に立てるはず」と気負いもなく、重責を引き受ける。老老介護、国の医療費巨額負担などの世相も盛り込まれているのがさすが。小児がん患者の萌ちゃんの話は、正直ズルい。親である以上、子どもは(理想通りには育たずとも)元気でさえいてくれればいい、という当たり前のことにも気づかせてくれた。そして誰もがいつかは迎える終末、その在り方についても。

2021/06/13

ウッディ

東京の救命医の職を辞し、故郷の金沢に戻った咲和子は訪問医療を行う診療所の医師として再出発する。最新の設備で命をつなぐこれまでと異なる仕事に戸惑う咲和子だが、患者や家族の望みを叶える医療があることを知る。どの話も医師としての知識に裏付けされ、温かく心に染みるものばかりだったが、「フォワードの挑戦」に勇気をもらい、「人魚の願い」は号泣だった。終末医療の医療費問題や耐えられない苦痛を終らせる積極的安楽死等、考えさせられる一冊でもあり、今医療小説を書かせたら、南さんの右にでる人はいないのでは・・。面白かったです。

2020/11/29

utinopoti27

現場のミスの責任をとり、救急救命医を辞して故郷の金沢で在宅医療に携わることになった咲和子。『救う現場』から、『看取る現場』へと立場を変えた彼女は、様々な命と向き合うことになる。本作では、重く、奥行きのある人間ドラマが六つの章に分かれて展開する。特に、苦しさのあまり、積極的安楽死を望む父親を前に、医師として、一人の娘として、激しく懊悩する咲和子の姿が脳裏から離れない。万策尽き、避けようのない死を悟った時、本人は、残された時間をどう生き、家族は、それにどう寄り添ってゆくのだろうか。著者渾身の問題作だ。

2021/06/02

いつでも母さん

62歳の医師・咲和子は救命救急センターを辞め老いた父が暮らす故郷金沢に戻り『まほろば診療所』で訪問診療医となるのだがー訪問診療医が向き合うのは病だけではない現実があった。患者さんとその背景に切なくなる。咲和子の父が大腿骨骨折で入院、脳梗塞も発症する事態に。神経内科医だった父には辛い神経因性疼痛に自身の最期を娘に託す父の心境が他人事では無い気持ちにさせられる。そして、それは今のこの国の、答えを先送りしているこの国の問題でもあるのだなぁ。人生の最期・・自分の意識があるうちに自分で決めたいものだ。

2020/06/26

モルク

東京で救命医をしていた62才の佐和子は、父がひとりで暮らす故郷金沢に戻り訪問診療医となる。在宅医療、終末期医療をテーマとし、命を救う側から看とる側となり奮闘する佐和子。少しでも望みがあるなら…1日でも長く…という家族の思いと、最後まで自分らしく生きたいという患者の思い。どれも涙なしではいられない。やはり小児がんの話は辛い。でも最後に希望を叶えることができて良かった。また骨折から脳梗塞そして神経性疼痛に苦しむ佐和子の父。その耐え難い痛みに安楽死を望む父。佐和子の葛藤。今後も議論しなければならない問題である。

2021/05/14

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