ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと
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2021年2月某日
つい最近まで「子ども」「高齢者」「動物」が苦手だった。
怖かったのだ。
子どもやお年寄り、動物が苦手だと言うと、冷たい人だと思われそうだ。彼らに相対するときには必ず最大限のやさしさを持って接しなければいけない気がする。
それは、“彼ら”のことを「弱くて守らなければいけない存在」だとどこかで思っているからで、そうやって無意識のうちに他人を“見下している”自分に向き合わなければいけなくなる。だから「子ども」「高齢者」「動物」とは積極的には関わりたくなかった。
この「弱くて守らなければいけない存在」には、「障害者」も含まれるかもしれない。
ハンデがあることに対して、どう向き合えばいいのかわからない。「弱くて守らなければいけない存在」として腫れ物に触るような対応は失礼な気がする。一方で、障害のない人と全く同じことを求め、サポートをせずにいるのも違う気がする。
自分の一挙一動が“正しい”かわからないから、間違っていると指摘されたり、相手を傷つけたりするリスクが高くなるところにできれば首を突っ込みたくないという気持ちもある。
しかし、“…
2021/3/1
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ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと / 感想・レビュー
ナミのママ
著者の思いが熱く伝わるノンフィクション。「耳の聴こえない親」に育てられた「耳の聴こえる子ども」=「CODA(コーダ)」。著者はまさに当事者で自らの生い立ちから現在までが綴られている。周囲とは違うことから受ける出来事はもちろんだが、当時の感情を思い出して書くのはどれほど辛かったことだろう。それは確実に読者に届いていると感じられる力作。著者初小説の『エフィラは泳ぎ出せない』が良かったので探してみた作品。こちらもすごく良かった。
2022/10/31
ゆみねこ
丸山正樹さんの「デフ・ヴォイス」でコーダと呼ばれる子供たちのことは知っていましたが、この作品の著者・五十嵐大さんはコーダ。当事者でなければ書けないことを分かりやすく綴っています。お母さんの愛情と著者の気付き、良い本でした。
2021/07/25
ゆみきーにゃ
読友さんの感想を読み気になった一冊。揺れ動く自身の想いが痛いほどに伝わってきてすごく良かった。丸山さんのデフヴォイス読まなくちゃ!希望ある終わりで更にいい。
2021/11/20
ひらちゃん
お母さんが好きなのに傷つけてしまう。コーダでなくてもあります。だけど、コーダである孤独に、どちらの世界にも属せないと考えてしまう孤独に、胸が潰れそうになりました。お母さんの過去を知ってからの気持ちはもっといたたまれない。五十嵐さんのお母さんの大きな大きな愛情に言葉もありません。深くて温かくて強くて素敵なひとです。そしてもう1つ、大切なこと。「私たちから出来ることを取らないで」と言ってくれた彼女に頭が下がる思いです。きっと私も同じようにしてしまうと思うから。ほんとにね、共に生きようが一番です。
2021/04/04
夜長月🌙@5/19文学フリマQ38
「コーダ」によるこれまでのコーダとしての人生の振り返りの記録です。コーダは「聴こえない親を守りたい」という肯定的な気持ちと「聴こえない親なんて嫌いだ(いじめを受けたりする)」という否定的な気持ちを揺れ動きます。親を疎ましく思うという子供時代を経て今は聴覚障害者について広く発信する著者の生の声でまた少し理解が深まりました。
2022/09/25
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